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TSMC創業者も「サムスン電子を懸念」…危機の韓国電子・半導体

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
政治的混乱が深刻になった中で韓国の電子・半導体産業界に懸念する声が大きくなっている。ファウンドリー(半導体委託生産)世界1位の台湾TSMC創業者までサムスン電子の心配をしている。

台湾経済日報などが伝えたところによると、TSMC創業者で93歳のモリス・チャン氏は9日に台湾の台北で開かれた自叙伝出版記念式でサムスン電子の現状に対する質問を受け「(サムスンは)戦略的問題ではなく技術的問題に直面している。最近の(韓国の)政治的混乱は会社経営に決して役に立たないだろう」と答えた。サムスン電子の広帯域メモリー(HBM)やファウンドリー2ナノ工程の歩留まり問題など技術的課題のほかにも、韓国の政治的不安が続けばサムスン電子の競争力に否定的影響を及ぼすと予想したのだ。

政治的不確実性にともなうウォン相場急落もリスクだ。ドルが高騰すれば外貨を稼ぐ輸出企業に有利だという話も、いまは半分正しく半分間違った言葉だ。世界各地に生産基地を置いている半導体、スマートフォン、家電企業のコスト計算が複雑になったためだ。半導体業界の場合、以前はドルが上がれば好材料に近かった。ほとんどが国内でメモリー半導体を生産している上に、これを海外に輸出する際にドルで支払いを受け、ドルが上がればウォン換算した利益はさらに増加するためだ。


だが米バイデン政権を経てサムスン電子などは大規模補助金を受ける条件で米国に大規模半導体工場を作っている。米国内で大規模投資中であるサムスン電子とSKハイニックスとしては、ドルが高くなれば建設費だけでなく、人件費や各種設備搬入コストが上がる。米テキサス州テイラーにファウンドリー工場を作っているサムスン電子は2030年までに総額合450億ドルを投資する計画だ。SKハイニックスも39億ドルを投じてインディアナ州に先端パッケージング工場を建てる。サムスン電子とSKハイニックスなど主要企業は固定契約で為替相場変動に対するリスクを最小化しているが、不確実性が長期化すれば海外投資に対する悩みが深まるほかない。

ある大手企業財務チーム関係者は「ウォン下落も心配だが何より政治的リスクの中で為替相場変動幅が拡大するのが企業には最悪。このような時はキャッシュフローの計画を立てても意味がない」と話す。為替相場は9日に17ウォンの大幅なウォン安となったが、翌10日には10ウォンのウォン高に振れるなど変動幅は依然として大きい。

サムスン電子が来月発売するスマートフォンの次世代フラッグシップモデルとなる「ギャラクシーS25シリーズ」もやはり為替の影響を受けることになった。ギャラクシーSシリーズに搭載される米クアルコム製チップの製造を引き受けるTSMCが生産価格を引き上げた上に、ドルまで上昇しチップ調達コストが大きく上がった。スマートフォンの頭脳に当たるプロセッサチップはスマートフォン生産原価で最も大きな割合を占める。

今年初めに発売されたギャラクシーS24シリーズの国内出庫価格は115万ウォン~169万ウォン水準(256GBモデル基準)だった。スマートフォン業界ではサムスンが現在の収益性を維持するには国内出庫価格を15万ウォンほど引き上げる可能性が大きいとみる。電子業界関係者は「サムスンスマートフォンの海外市場平均販売価格(ASP)が国内より低いためドルが上がってもサムスンの海外販売分が収益性に及ぼす効果は限定的で国内価格を調整するほかないだろう」と話した。



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