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【コラム】疾走する東南アジア、戒厳ショックに足を引っ張られた韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

キム・ジユン記者

東南アジアと中国の対米輸出が急増している。今年10月、タイ(25.3%)・マレーシア(19.2%)・ベトナム(24.2%)など東南アジア諸国連合(ASEAN)主要国の対米輸出が大幅に増えた。東南アジアは中国の中間材の輸入が急増し、中国は米国・東南アジアなどで史上最高値の輸出を記録した。

電気・電子部門の世界的な需要増加だけでなく、何よりホワイトハウスに再入城したトランプ氏が関税爆弾を投げる前に物品を確保しようと予約の注文が集まったためだ。反面、韓国は10月の輸出規模が月間最大値を記録したが一日平均輸出は対前年同月比0.3%減少した。7-9月期経済成長率0.1%という低調な成績に続いて輸出増加まで鈍化する様相だ。

東南アジアは輸出好調に加えて、驚くほどの投資誘致成果を挙げている。米国のエネルギー大手「エクソンモービル(Exxon Mobil)」はインドネシア次期大統領のプラボウォ氏と会って150億ドル(約2兆2500億円)規模の炭素保存装置開発への投資を約束した。グローバルメジャー「BP」も260億ドルを投資してインドネシア最初の炭素保存設備建設に着手した。AI時代の寵児エヌビディア(NVIDIA)はベトナム最大の企業集団ビングループ(Vingroup)の子会社でヘルスケアAI会社のビンブレイン(VinBrain)を買収した。同社の具体的な買収規模は伝えられていない。ハノイに飛んで行ったエヌビディアのジェンスン・フアンCEOはファム・ミン・チン首相とAI研究開発センターとデータセンターの設立に合意した。


フィリピンの成績も華々しい。11月までの投資承認額が282億ドルを記録し、前年同期比44%増加した。特に再生エネルギー部門の投資が目立ったが、米国・カナダ・ドイツ・フランス企業が大規模投資を決めた。ジェットストリーム・ヴィンドクラフトとツリーコンティ・サウスウインドの二社が大型風力発電プロジェクトに投資してスイスが最大の投資国に浮上したという事実が注目するに値する。

自由貿易体制が弱まる厳しい時期にも東南アジアは投資誘致と貿易衝撃の最小化に総力を挙げている。中国と日本、米国と欧州各国は東南アジアのエネルギーやインフラ市場からデータセンターまで多様なビジネスチャンスを先行獲得するために投資を拡大してパートナーシップを強化している。グローバル経済の不確実性が大きくなるほど東南アジアの戦略的価値も高まる局面だ。ASEAN主要6カ国の来年の経済成長率は4.8~5%と予想される。IMFが展望した世界平均3.2%を大きく上回る数値だ。今後10年間、中国よりも成長率が高くなるという展望も出てきた。

経済成長と民主主義、グローバル韓流を成就して東南アジアのロールモデルになった韓国は戒厳令ショックでグローバル市場から疑問を投げかけられている。われわれがこれまで築いてきた国家地位が崩壊するなら、その場を他の国々が占めるのにそう長くはかからないだろう。

コ・ヨンギョン/延世(ヨンセ)大学国際学大学院デジタル通商研究教授



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