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ブレーキのないウォン相場…「1ドル=1450ウォン台も覚悟しなければ」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

韓国ウォン

尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領弾劾をめぐる政治的不確実性が大きくなりウォン相場がさらに下落しかねないとの懸念が出ている。1ドル=1400ウォン台の相場が固定化するのを超え、最悪の場合には1500ウォン台時代がくるかもしれないとの不安感まで提起される。

ソウル外国為替市場によると、この1週間でウォン安は24.5ウォン進んだ。1月15~19日に25.50ウォン下落してから約11カ月ぶりの下げ幅だ。3日の非常戒厳宣布当日にはウォン相場が夜間取引で1442ウォンまで下がったが、これは2022年10月から2年余りぶりの安値水準だ。

問題は尹大統領弾劾案否決後に政治的不確実性がさらに大きくなった点だ。米大手銀行バンク・オブ・アメリカ(BoA)のアダルシュ・シンハ氏は7日、ブルームバーグに「尹大統領の弾劾訴追案採決不成立で9日のソウル外国為替市場でウォンが急落する可能性が大きい」と予想する。「景気が良くなく利下げの可能性が大きくなっている中で弾劾失敗により政治的不確実性がさらに長引くため」としながらだ。彼は「政治不安だけでなく経済ファンダメンタルズ(基礎体力)もウォンに下方圧力を加えている」と付け加えた。


トランプ氏の米国大統領選当選後にドル高の流れが続く中、戒厳と弾劾政局が重なり「ウォン・ディスカウント」現象は深まった。ウォンはこの1週間で主要通貨のうち最も大幅な下落率を記録した。先週ウォンが対ドルで1.86%下がったのに対し、ユーロが0.03%、円が0.10%、ポンドが0.26%、台湾ドルが0.51%対ドルで上がった。人民元は0.36%、オーストラリアドルは1.32%下がったが、ウォンより下げ幅は大きくなかった。

投資銀行バークレイズは「ウォンがアジアで『トランプ関税』に最も弱い通貨のひとつ」と指摘し、「政治経済的不確実性は韓国に向かう外国人資金の流れに影響を与え、結果的にウォンにも負担を与える恐れがある」と分析した。

政治不安が早期に解消されない限り来年1-3月期まで1400ウォン台の相場が続くだろうという観測が出ている。ハナ銀行のソ・ジョンフン首席研究委員は8日、「弾劾政局がスムーズに終えられるという前提の下で1400ウォン台序盤を予想したが、弾劾案否決などで事態が長期化すれば1450ウォンまで見通さなければならないようだ。来年1-3月期までは容易でない高波を超え為替相場がさらにドル高水準を維持して変動性も大きいだろう」と話した。iM証券のパク・サンヒョン研究員も「弾劾案否決で政局不安定性が深まり外国人投資家の追加的な資金離脱をあおりウォン安圧力として作用できる」と話した。

持続的なウォン安は輸入物価上昇をあおり、高物価から高金利につながる可能性が大きい。韓国は食糧自給率が低く食品原材料などを多く輸入するため小麦粉やチーズなど各種食品原材料価格が上がれば食卓物価も高騰する恐れがある。消費が萎縮すれば内需不振はさらに深まることになる。

また、鉄鋼、半導体、石油化学、運送などの業種と企業に資金調達と収益性に問題が生じればこれら企業に貸し付けた金融機関も健全性が悪化しかねない。

金融圏関係者は「市場不安をあおりかねず慎重だが内需がまだ回復していない上に信用度が下がりかねない点などを考慮すれば1ドル=1500ウォン台の可能性が大きくなった」と話した。



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