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台湾政界で戒厳めぐり攻防…与党のSNS投稿に波紋広がる

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
台湾の与党民進党が韓国の非常戒厳発令を支持する投稿を公式SNSに上げた後に削除した事件で台湾政界では議論が加熱している。1月の総統選挙とともに行われた総選挙の結果少数与党の構図が形成された台湾で韓国の戒厳が政争の素材になった。

国民党の朱立倫代表は4日の党幹部会議で「民進党が韓国の戒厳令に同調して台湾の国会と比較した。民進党が戒厳を発動しようとしているのではないか」と話した。朱代表は「韓国の民主とあらゆる状況が早期に安定することを心から希望するが、民進党がこれを利用してどんな政治的利益を得てもならない。今後民主国家は国会の投票結果を尊重しなければならないだろう」と強調した。

国民党の傅崐萁政策委員長もこの日フェイスブックに「きのうは尹錫悦(ユン・ソクヨル)、あすは民進党なのか。憎しみと対立の発言をまき散らす民進党もやはり極端な手段で2つの野党を制圧し台湾に戒厳を宣言しようとするのか」と与党を攻撃した。


民進党は3日夜、党の公式SNSアカウントに「韓国国会を親北勢力が掌握した状況で尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は自由憲政秩序を守護するため緊急に戒厳令を宣言した」と投稿した。続けて「台湾立法院(議会)も藍色(国民党)と白色(民衆党)が各種国防予算を削減し、憲法を破って議会の権限を拡大している。世界的水準の闇の勢力が国をむしばむのに対抗しなければならない」とした。

韓国の政治状況が中国の圧力を受ける台湾の状況と似ているため戒厳宣布は妥当という主張を展開した形だ。だがこの投稿は韓国の戒厳発動を支持するかのように解釈され議論が大きくなった。民進党はあわてて投稿を削除した。

これに対し民進党の呉思瑶立法院議員会総幹事は4日、「他国の内政を論評するのは適切でなく、社会的誤解と誇張、さらに対立と攻撃につながらないよう削除を決めた」と明らかにした。合わせて「台湾は38年間の戒厳を体験しており、最も戒厳に言及する資格がない対象は国民党」としながら逆攻勢に出た。

韓国の戒厳令が台湾与野党の政争素材になったのは台湾の歴史と関連する。台湾は1949年5月から1987年7月まで38年56日にわたり戒厳状況だった。世界で最も長かったと記録されるこの戒厳期間に台湾市民は言論の自由と参政権などを剥奪された。

4日の台湾議会でも戒厳に対する質疑が続いた。議員の関連質疑に張裕栄立法院副秘書は「韓国の状況が台湾で起きる可能性はほとんどない。台湾憲法第39条が総統に戒厳宣布権を付与しているが、必ず立法院を通じるか追認を受けなければならない」と一蹴した。また「戒厳あるいは緊急命令を発令しても立法院を解散できないと同じ条文で規定している」と付け加えた。

◇中華圏社説「民主主義、政治二極化解決できず」

中華圏のメディアも韓国の戒厳事態を注視した。香港の明報は5日の社説で「2021年の米国国会暴動、今回の韓国の戒厳騒動いずれも多くの人に衝撃を与えた。現在の民主主義制度は先進国の社会分裂、政治二極化、貧富の格差を解決できず、むしろさらにあおっている」と指摘した。香港の星島日報はこの日の社説で「共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表が新たに得た政治的資本が次の大統領選挙勝利に助けになるだろう」としながらも、「李在明氏も尹錫悦氏よりも『クリーン』ではなく、政敵追放に出て韓国の政治混乱は終わらないだろう」と予想する。

中国の国粋主義性向の環球時報は5日のコラムで、「危機を迎え与野党代表が組んで『緊急戒厳』解除を要求した決議を通過させた。もし与野党が今回の政治的混乱を安定させるために2次連帯ができるなら、激烈な政治闘争とダブルスタンダードから抜け出すことができるだろう」と予想する。

◇台湾総統「潜在的衝撃にあらかじめ備えよ」

一方、南太平洋の修交国を歴訪中の頼清徳台湾総統は5日、「韓国と台湾の緊密な関係と韓半島の地政学的特殊性などの要因ですぐに完全な報告を受けている。安全保障チームに民主同盟国と疎通を維持し潜在的衝撃を分析してあらかじめ備えるよう指示した」とフェイスブックで明らかにした。



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