「尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領の非常戒厳は、韓国を民主化以前の時代に戻すような時代遅れな決定でした」

米国の政治専門家、アメリカン大学のデビッド・ルブリン教授は３日（現地時間）、「尹大統領の政治的狙いは、すでに脆弱な大統領職をさらに弱体化させるだけだ」と批判し、このように指摘した。

ルブリン教授は尹大統領の戒厳宣布決定についてドナルド・トランプ米大統領当選者の追従者が起こしたアメリカ連邦議会議事堂乱入事件と似ている点があるとし「しかし韓国国民は『民主主義の転覆』ではなく『民主主義の守護』のために努力したという点が最も大きな違い」と強調した。トランプ氏を支持する、いわゆるトランピストは２０２１年１月６日、ジョー・バイデン大統領の承認を防ぐために議会に乱入し、議会の器物を破損するなど騒ぎを起こした。


２０２０年からアメリカン大学の政府学科長を務め、米国政治学会の財務理事などで活発に活動しているルブリン教授は、米国で指折りの政治専門家だ。中央日報は、尹大統領が戒厳を宣言した後、国会の戒厳解除要求決議案によって６時間後に解除した今回の事態の政治的意味と今後の政局運営方向を探るために、ルブリン教授を同日書面インタビューした。

－－尹大統領の戒厳発動の背景をどう分析するか。

「韓国で戒厳宣言が避けられないほど混乱した状況があったわけではない。今回の戒厳令は、韓国を民主化以前の時代に戻す時代遅れな決定だ。問題を解決するどころか、さらに悪化させる可能性が大きい」

－－一部では、低い支持率と大統領夫人に対する政治的圧迫を打開するための尹大統領の「超強硬」という分析が出ているが。

「尹大統領の政治的狙いは、すでに脆弱な大統領職をさらに弱体化させるだけだ。尹大統領は国民も国会も自分とさらに対立させる措置を取った。これは非常に無能に見え、人々は今回のことが弾劾につながるかどうか気になるだろう」

－－韓国の政治的分裂に注目する見方もある。

「韓国の政治は常に対立があり、非常にダイナミックな姿を見せてきたが、北朝鮮問題を除けば政策的な異見は大きくない場合が多かった。韓国国民と国会が今回の災いのような決定を直ちに拒否したのは、韓国の民主主義が依然として強いということを示している」


米政治学者「尹大統領の戒厳、時代遅れ…韓国は民主主義の守護を選んだ」（２）