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【コラム】深化する朝ロ密着、金正恩-トランプのブロマンスは終わったのか(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

ドナルド・トランプ米国次期大統領

北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外相が先月28日から9泊10日の日程でロシアを訪れた。ロシア訪問の表面的な目的は朝ロ外相の初の戦略対話だった。双方が1日に行った戦略対話でどんな議論があったのか、具体的な内容は公開されなかった。ただ、北朝鮮側は会議の直後、「包括的戦略パートナーシップ条約を履行し、主要な国際問題をめぐる意見交換で現国際情勢に対する双方の評価が一致した」と伝えた。また、対外政策機関間の対話を継続することにした。プーチン大統領はロシアの祝日(4日)にもかかわらず崔外相を大統領府に招待して1分間ほど握手しながらあいさつを交わすなど親密感を表した。

◆75年前の金日成を想起

ところが、崔外相のロシア訪問で目を引いたのは別にあった。崔善姫外相とラブロフ外相が戦略対話の前、モスクワのヤロスラブ駅を訪れた場面だ。1949年3月3日に当時の金日成(キム・イルソン)内閣首相が初めてロシア(旧ソ連)を訪問したが、これを記念して銅プレートを設置、除幕する行事が開かれた。金日成は当時スターリンの肖像画を螺鈿で彫刻した花瓶をはじめ26種39点の贈り物を列車に載せてスターリンを訪れた。金日成はスターリン共産党書記長と会談し、武器と米貨幣4000万ドル(金価値基準で現在12億8000万ドル、約2000億円)の借款、北朝鮮軍幹部のソ連士官学校委託教育などの軍事協力を約束した。当時の金日成のモスクワ訪問は、韓国戦争(朝鮮戦争)のための準備レベルだったが、その後75年間はいかなる記念もせず、今になって金日成に照明を向けたのだ。北朝鮮とロシアの最近の軍事協力が数世代にわたるという点を誇示する狙いがあるとみられる。


◆半月以上も米大統領選の結果に沈黙する北朝鮮

北朝鮮は最高指導者と会った人を「接見人」と呼んで特別待遇をする。5日に実施された選挙で勝利したトランプ氏は1期目に金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と3回会った「接見人」だ。2019年2月にベトナムのハノイで開催された第2回首脳会談がノーディールに終わった後にも2人は手紙を随時交わしながら親密な関係を誇示した。これに対して「ブロマンス」という表現も出てきた。トランプ氏は今回の選挙で金正恩との個人的な関係を強調し、自身が執権した当時は米国に対する北朝鮮の脅威はなかったと自慢した。北朝鮮が先月31日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射したが、これについては金正恩がトランプ候補を後押しする目的があるという分析、トランプ候補が当選すれば朝米間の直接取引が行われるという分析などが出てきた。

しかしトランプ氏に対する北朝鮮の反応がまだ冷たい。2016年のトランプ氏の最初の当選時には10日後に韓国を非難する労働新聞の記事でトランプ氏の当選に触れたが、今回は選挙が終わってから半月が過ぎた20日現在も北朝鮮は沈黙している。トランプ氏に対する金正恩の内心は分からないが、金正恩は15日に大隊長および大隊政治指導員大会に出席して米国を「米帝(米国帝国主義)」とし「米国の最も敵対的で最も長い交戦国であるわが国家」と表現した。昨年末に韓国を敵として規定した金正恩がトランプ氏の当選後に敵という概念で米国に言及したのだ。しかも金正恩はこの席で「核武力を中枢とする国家の自衛力を限界なく、満足なく、不断に強化していく」と強調した。朝米対話を通した非核化という西側の期待に冷や水を浴びせたのだ。北朝鮮がハノイ会談の決裂後に「確かなことは米国が今回、黄金のような機会(a golden opportunity)を逃したということ」と話していた当時の崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官の主張が「はったり」でないという点を見せる。


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