ウクライナが米国の戦術地対地ミサイルATACMS(エイタクムス)でロシア本土を狙うと、ロシアは「核保有国の支援を受ける非核保有国に対する核の使用」を入れた核教理で対抗した。冷戦当時から維持された「恐怖の均衡」を揺るがす今回の決定は一次的に合法的な核保有国である米国・英国・フランスとこれらの支援を受ける非核保有国のウクライナをターゲットとするが、ウクライナに殺傷武器などを支援する場合、米国の同盟である韓国もロシアの核教理適用対象に含まれる可能性があるという分析だ。
ロシアのプーチン大統領が19日(現地時間)に署名した核の教理(核抑止力分野における国家政策の基礎」)には「核保有国の支援を受ける非核保有国の攻撃は(核保有国との)共同攻撃と見なす」という条項が盛り込まれている。これは核保有国と同盟関係にあったり軍事協力をしたりするすべての国に核使用の対象が事実上拡大するという意味がある。ウクライナに武器を支援する米・英・仏など核保有国と共にこれら北大西洋条約機構(NATO)同盟国も状況によっては核攻撃の対象に含めることが可能だ。
特に「核保有国の支援を受ける非核保有国」という点で、米国の同盟国である韓国も自由でないという指摘が出る。政府は北朝鮮軍のロシア派兵に対応し、最後の案としてウクライナに対する武器支援の可能性も排除していない。実際に武器が供給され、ウクライナがこれをロシア攻撃に使用すれば、ロシアがこれを口実に韓国も核教理適用対象と主張する可能性がある。
同時にロシアの核教理は「ロシアまたはその同盟国に対する軍事連合の攻撃がある場合、核兵器を使用する権利を持つ」という条項も明示した。ロシアは別の条項で同盟国としてベラルーシを特定したが、これもロシアの便宜によって拡大解釈する可能性がある。
これに関連して朝ロは今年6月に「包括的戦略パートナーシップ条約」を結び、事実上の同盟レベルに関係を格上げした。北朝鮮もロシアが「核兵器を使用して守る同盟」に分類するという懸念が出てくる理由だ。
朝ロが「ならず者同盟」を通じて、韓国に対する米国の核の傘を脅かし、北朝鮮には強固な核の傘をかぶせる最悪のシナリオも理論的に可能ということだ。ロシアが北朝鮮の「核の後ろ盾」を自負する場合、拡大抑止を中心にした韓国の対北朝鮮抑止政策自体も変わるしかない。不法な核開発国の北朝鮮と合法的な核保有国のロシアを同時に相手にする状況まで想定しなければならないからだ。同時にこれは米ロ間の「核チキンゲーム」が広がり、韓半島がその舞台になる可能性があるという意味にもなる。
ロシアの新しい核の教理は「精密誘導通常兵器などの『存在』だけでも核の使用が可能」「ロシア領土外の軍事組織に対する攻撃がある場合にも核の使用が可能」と規定するなど核使用の条件と対象、地理的な範囲なども大幅に拡大した。ウクライナは米国が支援したATACMSミサイルでロシア本土を打撃したが、こうした通常戦術・戦略兵器に対して実戦配備でなく保管段階から核兵器で無力化できるという意志を表したと解釈される。
専門家らは1963年にNPT(核拡散防止条約)体制を創設したロシアが関連規範を自ら崩していると指摘する。NPTは核国家の非核保有国先制攻撃などを明示的に禁止していないが、条約全文を通じて核保有国が「武力威嚇または武力使用を控えるべき」と規定している。このため、その間、先制核不使用(NFU=No First Use)などの核教理は本質的に合法的な核保有国間に適用する核兵器使用規範を意味した。
ただ、ロシアが実際に核を使用する「レッドライン」までは越えないという見方が今のところは多い。核教理の修正で「最後の手段」である核使用のハードルを下げる行動自体を交渉力を高める手段にするのと、核兵器を実際に使用するのは次元が異なる問題であるからだ。
梨花女子大の朴元坤(パク・ウォンゴン)教授は「最悪の場合、ロシアが低威力戦術核を使用してウクライナの降伏を引き出すことも可能」としながらも「ロシアが核を使用する瞬間、NPT体制自体が崩れることが考えられ、ロシアも決定をするのは難しいはず」と指摘した。特にロシアが非核保有国を狙った核攻撃を敢行する瞬間、韓国をはじめとする核非保有国が一斉に核武装に入る「核ドミノ」が現実化するという指摘だ。
ロシアのプーチン大統領が19日(現地時間)に署名した核の教理(核抑止力分野における国家政策の基礎」)には「核保有国の支援を受ける非核保有国の攻撃は(核保有国との)共同攻撃と見なす」という条項が盛り込まれている。これは核保有国と同盟関係にあったり軍事協力をしたりするすべての国に核使用の対象が事実上拡大するという意味がある。ウクライナに武器を支援する米・英・仏など核保有国と共にこれら北大西洋条約機構(NATO)同盟国も状況によっては核攻撃の対象に含めることが可能だ。
特に「核保有国の支援を受ける非核保有国」という点で、米国の同盟国である韓国も自由でないという指摘が出る。政府は北朝鮮軍のロシア派兵に対応し、最後の案としてウクライナに対する武器支援の可能性も排除していない。実際に武器が供給され、ウクライナがこれをロシア攻撃に使用すれば、ロシアがこれを口実に韓国も核教理適用対象と主張する可能性がある。
同時にロシアの核教理は「ロシアまたはその同盟国に対する軍事連合の攻撃がある場合、核兵器を使用する権利を持つ」という条項も明示した。ロシアは別の条項で同盟国としてベラルーシを特定したが、これもロシアの便宜によって拡大解釈する可能性がある。
これに関連して朝ロは今年6月に「包括的戦略パートナーシップ条約」を結び、事実上の同盟レベルに関係を格上げした。北朝鮮もロシアが「核兵器を使用して守る同盟」に分類するという懸念が出てくる理由だ。
朝ロが「ならず者同盟」を通じて、韓国に対する米国の核の傘を脅かし、北朝鮮には強固な核の傘をかぶせる最悪のシナリオも理論的に可能ということだ。ロシアが北朝鮮の「核の後ろ盾」を自負する場合、拡大抑止を中心にした韓国の対北朝鮮抑止政策自体も変わるしかない。不法な核開発国の北朝鮮と合法的な核保有国のロシアを同時に相手にする状況まで想定しなければならないからだ。同時にこれは米ロ間の「核チキンゲーム」が広がり、韓半島がその舞台になる可能性があるという意味にもなる。
ロシアの新しい核の教理は「精密誘導通常兵器などの『存在』だけでも核の使用が可能」「ロシア領土外の軍事組織に対する攻撃がある場合にも核の使用が可能」と規定するなど核使用の条件と対象、地理的な範囲なども大幅に拡大した。ウクライナは米国が支援したATACMSミサイルでロシア本土を打撃したが、こうした通常戦術・戦略兵器に対して実戦配備でなく保管段階から核兵器で無力化できるという意志を表したと解釈される。
専門家らは1963年にNPT(核拡散防止条約)体制を創設したロシアが関連規範を自ら崩していると指摘する。NPTは核国家の非核保有国先制攻撃などを明示的に禁止していないが、条約全文を通じて核保有国が「武力威嚇または武力使用を控えるべき」と規定している。このため、その間、先制核不使用(NFU=No First Use)などの核教理は本質的に合法的な核保有国間に適用する核兵器使用規範を意味した。
ただ、ロシアが実際に核を使用する「レッドライン」までは越えないという見方が今のところは多い。核教理の修正で「最後の手段」である核使用のハードルを下げる行動自体を交渉力を高める手段にするのと、核兵器を実際に使用するのは次元が異なる問題であるからだ。
梨花女子大の朴元坤(パク・ウォンゴン)教授は「最悪の場合、ロシアが低威力戦術核を使用してウクライナの降伏を引き出すことも可能」としながらも「ロシアが核を使用する瞬間、NPT体制自体が崩れることが考えられ、ロシアも決定をするのは難しいはず」と指摘した。特にロシアが非核保有国を狙った核攻撃を敢行する瞬間、韓国をはじめとする核非保有国が一斉に核武装に入る「核ドミノ」が現実化するという指摘だ。
この記事を読んで…