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【社説】尹大統領「米中は選択の問題でない」…実用外交を生かすべき

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

APEC首脳会議に出席した尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は15日(現地時間)、ペルー・リマのホテルで中国の習近平国家主席と首脳会談を行った。 [大統領室写真記者団=中央日報キム・ヒョンドン記者]

韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が一昨日、「韓国にとって米国と中国は二者択一の問題ではない」とし、韓国は米中両国と緊密に協力していく必要があると述べた。この発言は主要20カ国・地域(G20)首脳会議出席のためブラジルを訪問した尹大統領の現地インタビューで出てきた。尹大統領の今回の発言は外交・安全保障の認識と基調の変化の可能性を内包しているようで注目される。2022年5月に就任して以降、最近まで尹大統領は一部から「米国一辺倒」という指摘が出るほど韓米同盟にオールインする動きを見せてきた。

昨年3月の韓日関係正常化をはじめ、韓米同盟の信頼強化に続き、韓米日安保協力と直進してきた。概して正しい方向だった。ただ、その過程で中国およびロシアと不必要な摩擦を起こす言葉が国益になるのかという声も高まった。こうした脈絡で見ると、15日のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を契機に2022年以来2年ぶりに実現した習近平国家主席との韓中首脳会談が尹大統領の認識変化に少なからず影響を及ぼしたという解釈が出てくる。当時、尹大統領は北朝鮮の挑発と派兵など危険な朝ロ軍事密着に対して「中国が建設的に役割をしてほしい」と要請した。これに対し習主席は「域内情勢の緩和を希望し、朝鮮半島の緊張を望まない」と前向きな基調で答えた。両首脳はぎこちない雰囲気でなく友好的な雰囲気で対話をしたという。

実際、ウクライナ戦争をきっかけに強まった朝ロの軍事的密着は中国の戦略的利益にも合わず、中国側は不快感を抱いているというのが外交関係者らの定説だ。こうした中で韓中間の関係回復の空間とモメンタムが生じた。実際、5月の韓日中首脳会議で中国首相が4年ぶりに訪韓し、最近は韓中双方が相手国駐在大使を交代し、新しくスタート雰囲気も用意された。


米国優先主義、孤立主義、関税戦争を予告したトランプ政権2期目を控えて国際情勢が揺れ動く中、韓国と中国にも相当な波紋が押し寄せてくるはずだ。韓国は中国と競争しながらも、北核問題などの安全保障と半導体などの経済分野で相互協力する分野が多い。こうした状況で尹大統領が価値と理念よりも実利と実用を重視する方向に外交基調を調整、管理すればプラスの効果が期待される。

ただ、予測可能性が低いトランプ政権2期目の性向を考慮すると、特定の方向で加速するのではなく、適切な速度調節が必要だ天安門の城楼に立って誠意を見せながらも「THAAD(高高度防衛ミサイル)報復」を受けた朴槿恵(パク・クネ)政権、中国を大国と持ち上げながらも「一人食事」の冷遇を自ら招いた文在寅(ムン・ジェイン)政権の低姿勢の試行錯誤だけは繰り返してはいけない。



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