お金がさらに大きなお金を呼ぶように、最近はエヌビディア(NVIDIA)のGPU(グラフィック処理装置)がレバレッジの手段になっている。今月4日、フィナンシャル・タイムズ(FT)の報道によると、ブラックストーン・PIMCO・カーライル・ブラックロックなど金融会社がエヌビディアGPUを担保にして複数の「ネオクラウド」企業に計110億ドル(約1兆7000億円)を融資したという。
ネオクラウドはAI開発企業やデータセンター運営会社にGPUをクラウドとして貸すスタートアップだが、これらがより多くのGPUを購入するために持っていたGPUを担保に金を借りたのだ。新規GPUモデルの登場によって、あるいは市場供給によって、GPUの資産価値は流動的だが、これがGPU市場をさらに大きくする資金源となった。
革新技術と金融の新鮮な結合と見るべきか、エヌビディア長期独走を見越したウォール街の危険なベッティングかを判断するのはまだ早い。一つ確実なことは、この新型担保融資市場の受恵者がエヌビディアである点だ。GPUの供給と需要をすべてエヌビディアが思うままに動かす「GPUエコノミー」はこのようにして大きくなっている。
エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は最近、インド・欧州・日本など世界中を回りながらこのような事業モデルを各国に拡散することに熱心だ。18~19世紀蒸気機関や電気など新型エネルギー資源で産業化に先に成功した国々がその後世界の運命を左右したように、GPUで武装したデータセンターが今回もそのような格差の出発点になるだろうと語りながらだ。フアンCEOが売るのはGPUではなくビジョンだ。世界中の人材と資本がエヌビディアに引き込まれるだけのことはある。
14日、東京で開かれた「エヌビディアAIサミット・ジャパン」もそのような説得の舞台だった。この日、エヌビディアのファンCEOとソフトバンクグループの孫正義会長は日本で世界初の「AIグリッド」を共同で構築していくと発表した。いつ、どこででもAIに接近できるAIアクセスネットワークを日本全域に敷くという計画だ。エヌビディアが次世代GPUを日本に真っ先に供給するという約束であり、ソフトバンクがそれを大量購入することに契約したという意味だ。
なぜ日本なのだろうか。AIだけは取り逃がしてはならないという日本の切迫さがフアン氏の野心と合致した。アジアで唯一自力での産業化に成功し、100年前には帝国になろうともしたが、最近30年間、日本は世界の革新競争から徹底的に疎外されてきた。そのような日本がここ2~3年間、スピードを上げてきている。台湾TSMCと合作して半導体製造基地を復活させていて、オープンAI(Open AI)のアジア支社も東京に誘致した。今回のフアン氏の訪日にあわせて石破茂首相は2030年までに10兆円以上をAIと半導体産業に投資するという計画も打ち出した。エヌビディアが日本産業の復活に寄与するなら、これよりも良い事業レファレンスが他にあるだろうか。
何よりも日本ではAIの波に乗ることができるなら何でもするという企業家がいる。孫会長だ。それはやはり日本だからこその切迫さだ。2017年100兆ウォン(11兆円)の投資ファンド(ビジョンファンド)を立ち上げ、「AI革命」を数えきれないほど語りながらも「いざオープンAIには投資すらできなかった」という皮肉を言われ続けた孫会長がフアンCEOに何度も「リセット」を叫ぶことができたのはAIに対する執着に近い熱望があるからだ。
海外ではこのような動きが息が上がるほどのスピードで起きているが、韓国は実に静かだ。AIインフラ市場をエヌビディアがすべて食ってやると言って世界を相手に夢を売るジェンスン・フアンのような技術経営者も、「ギャンブラー」(ライオネル・バーバー元FT編集局長)という評価を受けても革新技術帝国の建設という野望のために危険も顧みない孫正義のような投資家も見えない。企業家精神はかすんできたが、財界は相続税の引き下げや商法改正案反対にしがみついている姿が心配だ。AIインフラの核心であるデータセンターや半導体クラスターのために送電塔の建設に反対する住民の説得に献身的だという地方自治体や公務員の話も聞いたことがない。首都圏電気の24%を使う竜仁(ヨンイン)半導体クラスターが漂流するのではないかという懸念の声が聞かれ始め、ビッグテック企業は韓国ではなく日本・シンガポール・台湾にデータセンターを作る。
大韓民国代表企業サムスンはどうなのか。10兆ウォン自社株買いにも「サムスンがどこへ向かっているのか分からない」という市中の評価はそのままだ。投資家がサムスンに期待するのは財務諸表上のよく整えられた数字ではなく、「5年後、10年後のサムスン」を期待させるような果敢な投資とビジョンだ。サムスンが各種運営費用を惜しんで厳しい経営体制を敷いているという便りでサムスンの明るい未来を期待するのは難しい。過去数年間の沈黙と安住が現在の沈滞の原因なら、今の沈黙はまた別の危機の原因となる恐れがある。世界のお金、人材、技術地図の再編が起きている今、サムスンの野望が再び復活することに期待したい。
パク・スリョン/産業部長
ネオクラウドはAI開発企業やデータセンター運営会社にGPUをクラウドとして貸すスタートアップだが、これらがより多くのGPUを購入するために持っていたGPUを担保に金を借りたのだ。新規GPUモデルの登場によって、あるいは市場供給によって、GPUの資産価値は流動的だが、これがGPU市場をさらに大きくする資金源となった。
革新技術と金融の新鮮な結合と見るべきか、エヌビディア長期独走を見越したウォール街の危険なベッティングかを判断するのはまだ早い。一つ確実なことは、この新型担保融資市場の受恵者がエヌビディアである点だ。GPUの供給と需要をすべてエヌビディアが思うままに動かす「GPUエコノミー」はこのようにして大きくなっている。
エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は最近、インド・欧州・日本など世界中を回りながらこのような事業モデルを各国に拡散することに熱心だ。18~19世紀蒸気機関や電気など新型エネルギー資源で産業化に先に成功した国々がその後世界の運命を左右したように、GPUで武装したデータセンターが今回もそのような格差の出発点になるだろうと語りながらだ。フアンCEOが売るのはGPUではなくビジョンだ。世界中の人材と資本がエヌビディアに引き込まれるだけのことはある。
14日、東京で開かれた「エヌビディアAIサミット・ジャパン」もそのような説得の舞台だった。この日、エヌビディアのファンCEOとソフトバンクグループの孫正義会長は日本で世界初の「AIグリッド」を共同で構築していくと発表した。いつ、どこででもAIに接近できるAIアクセスネットワークを日本全域に敷くという計画だ。エヌビディアが次世代GPUを日本に真っ先に供給するという約束であり、ソフトバンクがそれを大量購入することに契約したという意味だ。
なぜ日本なのだろうか。AIだけは取り逃がしてはならないという日本の切迫さがフアン氏の野心と合致した。アジアで唯一自力での産業化に成功し、100年前には帝国になろうともしたが、最近30年間、日本は世界の革新競争から徹底的に疎外されてきた。そのような日本がここ2~3年間、スピードを上げてきている。台湾TSMCと合作して半導体製造基地を復活させていて、オープンAI(Open AI)のアジア支社も東京に誘致した。今回のフアン氏の訪日にあわせて石破茂首相は2030年までに10兆円以上をAIと半導体産業に投資するという計画も打ち出した。エヌビディアが日本産業の復活に寄与するなら、これよりも良い事業レファレンスが他にあるだろうか。
何よりも日本ではAIの波に乗ることができるなら何でもするという企業家がいる。孫会長だ。それはやはり日本だからこその切迫さだ。2017年100兆ウォン(11兆円)の投資ファンド(ビジョンファンド)を立ち上げ、「AI革命」を数えきれないほど語りながらも「いざオープンAIには投資すらできなかった」という皮肉を言われ続けた孫会長がフアンCEOに何度も「リセット」を叫ぶことができたのはAIに対する執着に近い熱望があるからだ。
海外ではこのような動きが息が上がるほどのスピードで起きているが、韓国は実に静かだ。AIインフラ市場をエヌビディアがすべて食ってやると言って世界を相手に夢を売るジェンスン・フアンのような技術経営者も、「ギャンブラー」(ライオネル・バーバー元FT編集局長)という評価を受けても革新技術帝国の建設という野望のために危険も顧みない孫正義のような投資家も見えない。企業家精神はかすんできたが、財界は相続税の引き下げや商法改正案反対にしがみついている姿が心配だ。AIインフラの核心であるデータセンターや半導体クラスターのために送電塔の建設に反対する住民の説得に献身的だという地方自治体や公務員の話も聞いたことがない。首都圏電気の24%を使う竜仁(ヨンイン)半導体クラスターが漂流するのではないかという懸念の声が聞かれ始め、ビッグテック企業は韓国ではなく日本・シンガポール・台湾にデータセンターを作る。
大韓民国代表企業サムスンはどうなのか。10兆ウォン自社株買いにも「サムスンがどこへ向かっているのか分からない」という市中の評価はそのままだ。投資家がサムスンに期待するのは財務諸表上のよく整えられた数字ではなく、「5年後、10年後のサムスン」を期待させるような果敢な投資とビジョンだ。サムスンが各種運営費用を惜しんで厳しい経営体制を敷いているという便りでサムスンの明るい未来を期待するのは難しい。過去数年間の沈黙と安住が現在の沈滞の原因なら、今の沈黙はまた別の危機の原因となる恐れがある。世界のお金、人材、技術地図の再編が起きている今、サムスンの野望が再び復活することに期待したい。
パク・スリョン/産業部長
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