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【社説】「半導体の自由貿易時代終わった」というTSMC創業者の診断

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
世界1位のファウンドリー(半導体委託生産)企業である台湾TSMCの創業者モリス・チャン氏が26日、「半導体自由貿易の時代が終わった。深刻な挑戦に直面しており、TSMCは要衝地ではなく戦場になった」と話した。TSMCはエヌビディアとともに人工知能(AI)時代の最大勝者に選ばれる。AI半導体需要の急増で7-9月期の営業利益が58%急増するなど「サプライズ業績」を記録した。17日には米ニューヨーク証券市場でエヌビディアに次いで時価総額1兆ドルを突破した2番目の半導体企業になった。

TSMCの好調にもモリス・チャン氏が危機感を見せたのは半導体市場の分業体系に亀裂ができ、これによって既存の成長モデルが限界に直面したためだ。中国の技術覇権牽制に向け米国が同盟国中心に半導体供給網構築に出て「米国の設計と欧州の装備、韓国と台湾の生産、中国の消費」で回っていた半導体分業化体系にひびが入り始めた。

先端半導体が国家安全保障と直結した「戦略物資」になり国同士の競争はさらに激しくなっている。米国は半導体産業強化に向け先端半導体施設を自国に引き込んでおり、半導体復活を模索する日本も補助金支給などを通じて半導体産業強化に出ている。半導体自国化に出た中国の追撃も侮れない。独自の市場を基盤とした技術自立を追求し競争力を育てている。


国家対抗戦に変わって訪れた「半導体自由貿易死亡」の衝撃は数値でもあらわれる。TSMCの売り上げのうち20%を占めていた中国の割合は10%に落ちた。オランダ半導体装備企業ASMLも7-9月期の業績発表で前四半期に49%だった中国の売り上げの割合を来年には20%に下げた。巨大市場である中国が消えた衝撃をそのまま受けているのだ。韓国も例外ではない。韓国貿易協会によると1~9月のメモリー半導体輸出で中国が占める割合は37.9%で、12年ぶりに40%を割り込んだ。輸出減少による7-9月期の成長率ショックに半導体輸出不振の影響を排除できないだけに韓国も安心することはできない。

韓国の半導体が克服すべき危機は半導体保護貿易と国家総力戦だけではない。米国大統領選のトランプ候補は海外半導体企業に対する補助金支給を批判し攻勢を強めている。変化する環境に適応し当面の危機を克服するにはだれも追いつけない技術力を確保する道しかない。企業は超格差維持の技術力を備えるための研究開発にさらにまい進し、政府は半導体産業に向けた基本インフラ用意と政策支援に総力を挙げなければならない。血が飛び交う戦場で勝利を収め主導権を確保するためには政府と企業の決然とした意志が必要だ。



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