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【社説】世界的中枢国の試験台になる「派兵挑発」対応=韓国

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
ウクライナ政府が初めて提起した北朝鮮軍1万2000人のロシア派兵疑惑を18日に韓国国家情報院が公式確認してから立証する証拠が出続けている。生々しい動画と衛星写真などがあふれると慎重な態度を見せていた米国と北大西洋条約機構(NATO)も「北朝鮮軍の派兵の証拠を確認した」として深刻な懸念を示した。だが北朝鮮とロシアはむしろ開き直った態度を見せている。ロシア外務省は韓国のウクライナ支援拡大の可能性に対する脅迫をはばからないかと思えば、ロシアのプーチン大統領は「北朝鮮と何をどのようにするかはわれわれが処理すること」と話した。

尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は一昨日、「北朝鮮のロシア派兵は韓半島(朝鮮半島)と欧州を超え世界の安保を脅かす挑発。朝ロ軍事協力の進展度合いにより段階別に国際社会とともに必要な措置を取っていくだろう」と警告した。これに伴い、対空防衛武器と殺傷武器支援など多様な選択肢が議論されている。

何より現時点で重要なのは北朝鮮のロシア派兵の問題点を正確に認識し堂々と対応することだ。国際法と外交・安保専門家らの分析を総合すると、派兵によりひとつになった朝ロの形態は国連憲章と国際法、そして国連安保理の対北朝鮮制裁決議案に正面から反する。ロシアが2022年2月にウクライナに侵攻した行為は武力行為を禁止した国連憲章第2条第4項違反だ。国連総会がロシアの侵略を糾弾する決議案を何回も採択した理由だ。こうしたロシアに軍隊を派兵し侵略を助け支援した北朝鮮も国連憲章を違反した格好となる。6月に朝ロ同盟条約を復元したロシアは国連憲章第51条の「集団自衛権」を主張する。だが自衛権は侵略された国に認められるもので、ウクライナを侵略したロシアには認めることができず、侵略者を助ける北朝鮮の派兵も集団自衛権行使に該当しない。


朝ロの軍事的結託は国際犯罪に対する処罰に向け設立された国際刑事裁判所(ICC)の管轄権を認めるための多者条約、すなわち「国際刑事裁判所に関するローマ規程」に外れる。ICCは戦争犯罪の責任を問いプーチン大統領に対する逮捕状を昨年3月に発行した。ロシアに派兵された北朝鮮軍が集団殺害罪、人道に反する罪、戦争犯罪、侵略犯罪を犯せば軍の統帥権者である北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長もICCの処罰対象になる可能性がある。

朝ロの軍事的密着は国連安保理の対北朝鮮制裁決議案とも真っ向から衝突する。北朝鮮の2006年の1回目の核実験と2009年の2回目の核実験後に国連が採択した対北朝鮮制裁決議1718号と1874号に基づき、核・ミサイルを含め北朝鮮の武器輸出入は禁止されている。2016年以降の決議案はより包括的だ。北朝鮮はすでにロシアにコンテナ1万3000個分の砲弾とミサイルを送った。国連で徹底的に問い詰めなければならない深刻な制裁違反だ。

北朝鮮のロシア派兵は国際社会の対北朝鮮制裁による深刻な孤立と累積した経済難を一気に脱出するための危険な賭けだ。だが派兵が北朝鮮の墓穴を掘る悪手になるかもしれない。この問題は韓半島安保と直結するだけに韓国政府は侵略戦争に強く反対し国際平和を擁護する声を明確に出しながら多様な戦術的対応策をまとめなければならない。米国、日本、NATOなど友邦と緊密に協力して世界的中枢国としての役割と責任を全うしなければならない。ただすべてのカードを一度に公開せずロシアの対北朝鮮先端軍事技術支援動向を見守りながら段階的に賢く対応するよう望む。



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