イランがイスラエルの海外情報機関モサドの活動に影響を受けてイスラエル人をスパイに抱き込んでいるという分析が出てきた。イスラエルではイランのためにスパイ活動をしたイスラエル人が相次いで摘発されるなど両国間のスパイ戦が激化している様相だ。

２１日（現地時間）、英国日刊紙タイムズは「どのようにしてイスラエルとイランは陰で戦争を仕掛けているか（Ｈｏｗ　Ｉｓｒａｅｌ　ａｎｄ　Ｉｒａｎ　ａｒｅ　ｗａｇｉｎｇ　ｗａｒ　ｉｎ　ｔｈｅ　ｓｈａｄｏｗｓ）」と題する記事で「イランの成功的なスパイ作戦に対する証拠が増えている」とし「イランは弱いイスラエル人を買収して祖国を裏切るように仕向けているが、モサドからスパイ活動の教訓を得ているとみられる」と報道した。モサドは７月イランの首都テヘランでパレスチナの武装組織ハマスの首長イスマイル・ハニヤ氏を殺害する時などに買収したイラン人を利用したのではないかと疑いの目を向けられてきた。

この日イスラエルではイラン情報当局要員の指示を受けて活動したイスラエル人が摘発された。現地メディアのタイムズ・オブ・イスラエルによると、この日イスラエル検察はイランのために２年間で約６００件のスパイ活動を行った容疑でイスラエル人７人を逮捕した。


◇情報を渡した場所、イラン・ヒズボラの攻撃を受ける

イスラエルの国内情報機関シンベトによると、逮捕されたイスラエル人はキルヤ軍事本部やネバティム空軍基地、ラマト・ダヴィド空軍基地のような軍施設のほか、アイアンドームなど対空防御砲台、港・発電所などエネルギーインフラ施設を撮影して関連情報を収集した容疑がもたれている。

実際彼らが撮影したネバティム空軍基地はイランのミサイル攻撃を二度受け、ラマト・ダヴィド空軍基地はレバノンの武装組織ヒズボラの標的になった。容疑者はゴラニ基地の地図も確保したが、ゴラニ基地は最近無人機（ドローン）攻撃を受けてイスラエル国防軍の兵士４人が死亡した。容疑者のうち一部は別のイスラエル人を監視して逮捕され、暗殺陰謀の可能性も提起された。

シンベトは彼らがそれぞれ「アルハン」と「オルハン」と呼ばれる２人のイラン要員の指揮を受けたと明らかにした。容疑者はスパイ行為の対価として数十万ドルを受け取ったが、一部は仮想通貨で、一部はロシア観光客から現金で受け取った。

イスラエル警察関係者は「容疑者はお金に困った人々だった」と伝えた。彼らはアゼルバイジャンから移住し、イスラエル北部に居住してきたが、１人がアゼルバイジャンでイランに抱き込まれた後、親戚など６人を募集したという。容疑者のうち１人は脱営兵士、２人は未成年者であることが分かった。警察関係者は「イスラエルで発生した保安侵害のうち最も深刻な事件の一つ」とし「戦時に敵を助ける罪目に対する処罰は死刑や終身刑」と話した。


激化するイラン・イスラエルのスパイ戦…イランもモサドに学んだか（２）