北朝鮮発「平壌(ピョンヤン)浸透無人機事態」が域内の安全保障にまで影響を及ぼす状況だ。北朝鮮が「米国の奴らが責任を負うべき」(14日、金与正労働党副部長)として突然非難の矛先を向けると、その直後にロシアも「朝ロ条約」(包括的戦略パートナーシップ条約)を掲げて「朝鮮半島が危険になる状況を防ぐ」と介入した。
今回の無人機事態を「敵対的2国家論」を固めるのに活用しようとする北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長、米大統領選挙前に「韓半島(朝鮮半島)介入権」を得ようとするロシアのプーチン大統領、そして同盟防衛公約を重視しながらも大統領選挙直前の韓半島での偶発的衝突シナリオを防ごうとする米国のバイデン大統領の悩みが力学作用を起こし、事態が予想できない方向に向かうこともあるという懸念が生じている。特にプーチン大統領が自身の存在感を高めるために金正恩式「南北断絶シナリオ」を煽る場合、韓半島の地政学的危機はさらに増幅する可能性がある。
◆「朝ロ条約に基づきリスク防ぐ」
ロシア外務省のザハロワ報道官は14日(現地時間)の声明で、韓国無人機が平壌(ピョンヤン)上空に侵入して対北朝鮮ビラをまいたという最近の北朝鮮の主張をそのまま引用した。そして「ソウル(韓国)のこうした行動は北朝鮮の主権に対する重大な侵害であり、独立国家の合法的な国家、政治体系を破壊して自主的に発展する権利を剥奪するための内政干渉と見るしかない」と述べた。まだ実体が明確でないにもかかわらず韓国軍を「主犯」と規定した北朝鮮の立場をそのまま再生産したのだ。
続いて「ロシアは朝ロ条約に基づくものを含め、朝鮮半島で危険が高まるのを防ぎ、状況を前向きに戻すために建設的な役割を続ける」と明らかにした。今年6月に締結され、ロシアが韓半島有事に介入する権限を初めて保障したと評価される「朝ロ条約」を、今回の無人機事態にも適用できることを示唆したものと見る余地もある。
実際、朝ロ条約3条は「どちらか一方に対する武力侵略行為が敢行される直接的な脅威が形成される場合」を前提に、一方が要求すれば関連協議ができるようにした。この場合、「相互立場調整」「形成された脅威の除去に協力」「交渉通路を遅滞なく稼働」するよう明示している。北朝鮮外務省は11日、韓国の無人機侵入を主張しながら、これを「厳重な軍事的攻撃行為」と規定した。文案だけでみると、北朝鮮としては朝ロ条約3条の発動条件「武力侵略行為」に該当する主張をする余地がある。
またザハロワ報道官がこの日の声明で北朝鮮の「主権」と「自主的発展権利」をあえて強調した背景には、朝ロ条約上ロシアが介入できる条件である国連憲章を念頭に置いている可能性がある。憲章51条は「国連加盟国に武力攻撃がある場合、個別的・集団的自衛権を持つ」と規定している。
◆韓国政府「ロシアの一方的主張、深い遺憾」
韓国政府は15日、「ロシア外務省が事実確認もされていない北の一方的な主張を支持して主権侵害および内政干渉を云々したことに深い遺憾を表す」とし「最近の一連の事態に対するすべての責任は、同族を核兵器で脅迫して攻撃的な言動もためらわない北にある」と指摘した。
続いて「過去に北によるものと確認された数回の対南無人機挑発時にロシア側がなぜいかなる措置も取らなかったか説明を求める」と指摘した。これに先立ち北朝鮮は2014年、2017年、2022年に無人機を韓国側に浸透させ、2014年と17年には無人機の残骸が国内で発見された。
平壌無人機のバタフライ効果…「朝ロ条約」掲げてロシアも介入(2)
今回の無人機事態を「敵対的2国家論」を固めるのに活用しようとする北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長、米大統領選挙前に「韓半島(朝鮮半島)介入権」を得ようとするロシアのプーチン大統領、そして同盟防衛公約を重視しながらも大統領選挙直前の韓半島での偶発的衝突シナリオを防ごうとする米国のバイデン大統領の悩みが力学作用を起こし、事態が予想できない方向に向かうこともあるという懸念が生じている。特にプーチン大統領が自身の存在感を高めるために金正恩式「南北断絶シナリオ」を煽る場合、韓半島の地政学的危機はさらに増幅する可能性がある。
◆「朝ロ条約に基づきリスク防ぐ」
ロシア外務省のザハロワ報道官は14日(現地時間)の声明で、韓国無人機が平壌(ピョンヤン)上空に侵入して対北朝鮮ビラをまいたという最近の北朝鮮の主張をそのまま引用した。そして「ソウル(韓国)のこうした行動は北朝鮮の主権に対する重大な侵害であり、独立国家の合法的な国家、政治体系を破壊して自主的に発展する権利を剥奪するための内政干渉と見るしかない」と述べた。まだ実体が明確でないにもかかわらず韓国軍を「主犯」と規定した北朝鮮の立場をそのまま再生産したのだ。
続いて「ロシアは朝ロ条約に基づくものを含め、朝鮮半島で危険が高まるのを防ぎ、状況を前向きに戻すために建設的な役割を続ける」と明らかにした。今年6月に締結され、ロシアが韓半島有事に介入する権限を初めて保障したと評価される「朝ロ条約」を、今回の無人機事態にも適用できることを示唆したものと見る余地もある。
実際、朝ロ条約3条は「どちらか一方に対する武力侵略行為が敢行される直接的な脅威が形成される場合」を前提に、一方が要求すれば関連協議ができるようにした。この場合、「相互立場調整」「形成された脅威の除去に協力」「交渉通路を遅滞なく稼働」するよう明示している。北朝鮮外務省は11日、韓国の無人機侵入を主張しながら、これを「厳重な軍事的攻撃行為」と規定した。文案だけでみると、北朝鮮としては朝ロ条約3条の発動条件「武力侵略行為」に該当する主張をする余地がある。
またザハロワ報道官がこの日の声明で北朝鮮の「主権」と「自主的発展権利」をあえて強調した背景には、朝ロ条約上ロシアが介入できる条件である国連憲章を念頭に置いている可能性がある。憲章51条は「国連加盟国に武力攻撃がある場合、個別的・集団的自衛権を持つ」と規定している。
◆韓国政府「ロシアの一方的主張、深い遺憾」
韓国政府は15日、「ロシア外務省が事実確認もされていない北の一方的な主張を支持して主権侵害および内政干渉を云々したことに深い遺憾を表す」とし「最近の一連の事態に対するすべての責任は、同族を核兵器で脅迫して攻撃的な言動もためらわない北にある」と指摘した。
続いて「過去に北によるものと確認された数回の対南無人機挑発時にロシア側がなぜいかなる措置も取らなかったか説明を求める」と指摘した。これに先立ち北朝鮮は2014年、2017年、2022年に無人機を韓国側に浸透させ、2014年と17年には無人機の残骸が国内で発見された。
平壌無人機のバタフライ効果…「朝ロ条約」掲げてロシアも介入(2)
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