米国大統領選挙に出馬を表明したカマラ・ハリス副大統領とそれに先立ち大統領候補だったジョー・バイデン大統領の関係が良好ではないと現地メディアが報じた。１９８８年ジョージ・ブッシュとロナルド・レーガン、２０００年アール・ゴアとビル・クリントンなど大統領選に出馬した現職副大統領が大統領と葛藤が生じた事例は過去にもいくつかあった。

１３日（現地時間）、政治専門メディア「アクシオス（Ａｘｉｏｓ）」はハリス・キャンプとバイデン・ホワイトハウス関係者を引用して両者の間に分裂が発生したと報じた。メディアが引用した関係者１０人は「バイデン大統領補佐陣の大多数が大統領候補から押し出されたことに適応できず、感情が残っている状態」とし「ハリスキャンプは大統領の選挙支援が不足していると考えている」と話した。

具体的に、ハリス氏側はバイデン大統領が日程とメッセージで選挙支援を得られず不満がたまっているという。１１日、ハリス候補が激戦州のミシガン州で行事を控えていたが、バイデン大統領がホワイトハウスで雇用率関連の記者会見を行ってメディアの関心が分散した。ハリス候補が最近ハリケーン被害が集中したフロリダ州の共和党所属ロン・デサンティス州知事と互いに批判をやり取りする渦中にも、バイデン大統領はデサンティス州知事に対して「協調的で慈悲深い」と称賛するなどすれ違いが露呈した。


ハリスキャンプ関係者は「ホワイトハウスの誰もバイデン大統領の歩みが選挙遊説にいかなる影響を及ぼすのか最優先に考えてくれない」と不満を漏らしたとアクシオスは伝えた。

反対にバイデン大統領側は７月末に大統領候補がハリス氏と交代となる状況で大きく感情を傷つけられた。米国で、党内予備選で確定した候補が選挙途中に変更することは初めてだった。バイデンキャンプにいた補佐陣がハリスキャンプに移る過程で「裏切り者」の烙印が押されることがあり悪影響を及ぼしたとアクシオスは伝えた。ただし、相互葛藤を表出する高官とは別に、中間級実務者はうまく協力しているという。

ハリス候補が大統領選挙を３週間後に控えた時点で、バイデン大統領とより一層差別化を図るだろうという予想も出ている。大統領選挙を３週間後に控えた時点で、支持率が停滞して危機論が広がっているためだ。１２日、ワシントン・ポスト（ＷＰ）は「選挙の最後の瞬間に入り、ハリス氏が逆風に直面している」としながら、ハリス氏の最も大きな限界としてバイデン大統領との差別化に失敗した点を挙げた。

ＮＢＣ放送が今月４～８日に実施した世論調査で、ハリス民主党候補とドナルド・トランプ共和党候補の支持率は４８％で同率だった。先月の同じ調査ではハリス氏４９％、トランプ氏４４％だったが、１カ月で格差が消えた。

アクシオスは１９８８年大統領選挙当時のブッシュ副大統領とレーガン大統領、２０００年大統領選挙時のゴア副大統領とクリントン大統領から見るように、現職副大統領が大統領職に出馬する時にはいつも内部葛藤が発生したと指摘した。