7日、フィリピン・マニラのマラカニアン宮殿で開かれた韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領とフィリピンのフェルディナンド・マルコス大統領間の首脳会談。両国はこの日、首脳会談で修交75年で「戦略的パートナー関係」に関係を格上げすることで合意した。13年ぶりに行われた韓国大統領の国賓訪問で、両国首脳は「新たな1ページを開いた」と宣言した。
ところが首脳会談会場に必ずいるべき人物の姿がなかった。対ASEAN(東南アジア諸国)外交を総括する主務部署を率いる趙兌烈(チョ・テヨル)外交部長官が同席しなかったのだ。趙長官はこの日、韓国国会で開かれた外交統一委員会の外交部国政監査に出席していた。
首脳会談には崔相穆(チェ・サンモク)副首相兼企画財政部長官、申源湜(シン・ウォンシク)国家安全保障室長、金泰孝(キム・テヒョ)国家安全保障室第1次長らが同席した。張虎鎭(チャン・ホジン)外交安保特別補佐官と李相和(イ・サンファ)駐フィリピン大使も同席したが、趙長官が席にいないのはどう考えても不自然な図だった。
安徳根(アン・ドクグン)産業通商資源部長官も同じ理由で尹大統領のフィリピン国賓訪問に随行できなかった。韓国産業通商資源部とフィリピン環境天然資源省・貿易産業省は今回「核心原材料サプライチェーン協力に関する了解覚書(MOU)」を締結したが、この現場にも主務部署の首長である安長官は出席することができなかった。
国政監査に国賓訪問を越える重要性があるのは事実だ。政府を牽制(けんせい)する国会の機能の核心であり、国会は国政監査によって国民が付与した権限を活用して政府の政策を検証する。国政監査を国会活動の花と例える理由だ。被監機関の首長が国政監査に最善を尽くして臨まなければならないのはもちろんだ。
問題は、重要な外交的行事に対しても例外や了解を全く許容しない今の状況だ。
繰り返される巨大野党の暴走や大統領の国会開院式不参加など、今や政府と国会間の葛藤は感情的なけんかの様相を呈している状況だ。
こうしたことは初めてではない。先月趙長官と金龍顯(キム・ヨンヒョン)国防部長官がソウルで開かれる「2024人工知能の責任ある軍事的利用に関する高位級実務者会合」への出席のため、外交・統一・安全保障分野の対政府質問に出席しなかったとき、野党は「国会と憲法を無視した」と非難した。だが、当時外交部はすでに10余日前に国民の力と共に民主党側に国務委員代理出席の了解を要請し、民主党院内代表室もこれを事前に承認していた。
結局、対政府質問日程を夕方に先送りして趙長官も出席したが、韓国が主催する高位級外交行事の重要性を考慮しないまま状況確認もきちんとしないで、まず非難の声をあげるところから始めた野党の態度は人々の眉をひそめさせた。外交的事案まで国内政争の素材とする形態が繰り返されることが残念だった。
相手国に欠礼になり得る外交部長官の国賓訪問不随行だったが、そのようにして行われた国政監査の「水準」はさらに虚しかった。北朝鮮が南北関係断絶を宣言して対南核攻撃を圧迫し、韓国の外交安保環境を根底から変えるかもしれない米国大統領選挙が目の前まで迫っているが、当の国政監査ではこのような懸案はまともに扱われることがなかった。
代わりに1年以上も前の昨年の釜山(プサン)エキスポ誘致戦当時、外交部が状況分析を誤ったという内容の3級秘密文書を巡り攻防が続いた。すでに過ぎたことであるうえ、この過程で野党議員が秘密文書を丸ごと公開して論争を自ら招いた。国政監査場の大型スクリーンに極秘分類された政府の公文書様式を加工せずにそのまま表示したのは本末が転倒した自害行為も同じだった。
外交ほど超党派的な支持が必要な分野も他にない。国内政治的理由のために国益を追求しなければならない外交が犠牲になるようなことがあってはならない。
ところが首脳会談会場に必ずいるべき人物の姿がなかった。対ASEAN(東南アジア諸国)外交を総括する主務部署を率いる趙兌烈(チョ・テヨル)外交部長官が同席しなかったのだ。趙長官はこの日、韓国国会で開かれた外交統一委員会の外交部国政監査に出席していた。
首脳会談には崔相穆(チェ・サンモク)副首相兼企画財政部長官、申源湜(シン・ウォンシク)国家安全保障室長、金泰孝(キム・テヒョ)国家安全保障室第1次長らが同席した。張虎鎭(チャン・ホジン)外交安保特別補佐官と李相和(イ・サンファ)駐フィリピン大使も同席したが、趙長官が席にいないのはどう考えても不自然な図だった。
安徳根(アン・ドクグン)産業通商資源部長官も同じ理由で尹大統領のフィリピン国賓訪問に随行できなかった。韓国産業通商資源部とフィリピン環境天然資源省・貿易産業省は今回「核心原材料サプライチェーン協力に関する了解覚書(MOU)」を締結したが、この現場にも主務部署の首長である安長官は出席することができなかった。
国政監査に国賓訪問を越える重要性があるのは事実だ。政府を牽制(けんせい)する国会の機能の核心であり、国会は国政監査によって国民が付与した権限を活用して政府の政策を検証する。国政監査を国会活動の花と例える理由だ。被監機関の首長が国政監査に最善を尽くして臨まなければならないのはもちろんだ。
問題は、重要な外交的行事に対しても例外や了解を全く許容しない今の状況だ。
繰り返される巨大野党の暴走や大統領の国会開院式不参加など、今や政府と国会間の葛藤は感情的なけんかの様相を呈している状況だ。
こうしたことは初めてではない。先月趙長官と金龍顯(キム・ヨンヒョン)国防部長官がソウルで開かれる「2024人工知能の責任ある軍事的利用に関する高位級実務者会合」への出席のため、外交・統一・安全保障分野の対政府質問に出席しなかったとき、野党は「国会と憲法を無視した」と非難した。だが、当時外交部はすでに10余日前に国民の力と共に民主党側に国務委員代理出席の了解を要請し、民主党院内代表室もこれを事前に承認していた。
結局、対政府質問日程を夕方に先送りして趙長官も出席したが、韓国が主催する高位級外交行事の重要性を考慮しないまま状況確認もきちんとしないで、まず非難の声をあげるところから始めた野党の態度は人々の眉をひそめさせた。外交的事案まで国内政争の素材とする形態が繰り返されることが残念だった。
相手国に欠礼になり得る外交部長官の国賓訪問不随行だったが、そのようにして行われた国政監査の「水準」はさらに虚しかった。北朝鮮が南北関係断絶を宣言して対南核攻撃を圧迫し、韓国の外交安保環境を根底から変えるかもしれない米国大統領選挙が目の前まで迫っているが、当の国政監査ではこのような懸案はまともに扱われることがなかった。
代わりに1年以上も前の昨年の釜山(プサン)エキスポ誘致戦当時、外交部が状況分析を誤ったという内容の3級秘密文書を巡り攻防が続いた。すでに過ぎたことであるうえ、この過程で野党議員が秘密文書を丸ごと公開して論争を自ら招いた。国政監査場の大型スクリーンに極秘分類された政府の公文書様式を加工せずにそのまま表示したのは本末が転倒した自害行為も同じだった。
外交ほど超党派的な支持が必要な分野も他にない。国内政治的理由のために国益を追求しなければならない外交が犠牲になるようなことがあってはならない。
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