イランのミサイル攻撃を受けたイスラエルが報復攻撃を準備中だ。イランは「イスラエルが報復すれば再報復に出る」と宣言したため、両国の全面戦争開始の可能性が高まっている。

２日（現地時間）、ニューヨーク・タイムズは米国とイスラエル当局者を引用して「イスラエルがイランの石油生産施設と軍事基地を攻撃する可能性がある」と伝えた。イランの核施設攻撃の可能性も取りざたされている。バイデン米大統領はこの日、「イランの核施設に対する攻撃には反対する」という立場を明確にした。しかし、任期終盤のバイデン大統領の圧迫が、イスラエルのネタニヤフ首相には通用しないという分析もある。

具体的な攻撃の対象はイスラエルの新年の祝日「ロシュ・ハシャナ」（１０月２日日没～４日日没）が終わってから決まるものとみられる。過去、イスラエル国家安保委員会で対イラン戦略を監督したヨエル・グザンスキー氏は「イスラエル人は今がイランに苦痛を与えなければならない時だと考えている」と話した。


昨年１０月、パレスチナ武装政派「ハマス」の奇襲攻撃で中東紛争が触発される前までは、イスラエルとイランの対立は「影の戦争」と呼ばれた。両国が直接対決を避け、間接的な打撃を好んだためだ。

しかし、４月と今回のミサイル攻撃を通じてイスラエルとイランが直接対決する形で戦争の規則が変わり、今後状況がどのように展開するか予測が難しくなった。

米国は表面的にはイスラエルを支援しながらも、両国が対立して中東が戦争の渦に巻き込まれることを防ぐために外交的に取り組んでいる。マシュー・ミラー米国務省報道官は「イランに新たな制裁を課す方法を探し、または従来の制裁の執行強化も模索できる」と述べた。

イスラエルがヒズボラに対する新たな地上戦を開始したのも変数として浮上している。イスラエル軍８人が戦死したが、これについてワシントン・ポストは「２００６年レバノン侵攻当時の痛恨の記憶を思い出させる」と伝えた。当時、イスラエルはヒズボラの強力な抵抗にぶつかって３４日後に撤退し、ヒズボラはこれを機にむしろ勢力を拡大した。

イスラエルが繰り広げた情報戦の威力についても、新しい内容が公開されている。マフムード・アフマディネジャード前イラン大統領は１日、ＣＮＮとのインタビューで「（イランが）モサド（イスラエル情報機関）を狙った情報機構を作ったところ、その首長がモサドのスパイだった」とし「スパイを探し出す任務の反探要員２０人も同じだった」と述べた。