レバノンの武装組織ヒズボラとイスラエルは、ガザ戦争勃発以来、最大規模の交戦を繰り広げながら、中東内の緊張が最高潮に達している。これを受けて米国などではイスラエルがレバノンの地上侵攻までしかねないという懸念が高まっている。ヒズボラなど「抵抗の枢軸」を支援してきたイランの最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師は２１日（現地時間）、イスラエルを非難しながらイスラム諸国に「悪性腫瘍を除去せよ」と呼びかけた。

◇イスラエル・ハイファ、レバノン・ベイルートに空襲

２２日、ヒズボラはイスラエルに向かって１００発以上のロケットを発射した。ヒズボラはこれに先立ち、イスラエルのラマト・ダビド空軍基地などに向かってミサイルを撃ったと明らかにしたが、ロケットの一部はイスラエル北部の都市ハイファ近隣に着弾した。建物が破損して火がついたが、深刻な人命被害は報告されなかった。イスラエル北部各地には空襲警報が鳴り響いた。


これに先立ち２０日、ヒズボラはイスラエルに向かってロケット１４０発を撃ち、２１日にもロケット９０発を発射してイスラエル北部の都市ツファット各地で火災が発生した。両側の交戦は昨年１０月ヒズボラがパレスチナ武装組織ハマスと連帯すると言ってイスラエル北部を攻撃し始めて以来、最大規模だ。

こうした中、イラク内の親イラン武装勢力「イラクのイスラム抵抗運動」（ＩＲＩ）もこの日「（パレスチナ）ガザ地区の人々を支援するために」イスラエルを無人機（ドローン）で攻撃したと主張した。イスラエル国防軍はこれをすべて迎撃したと明らかにした。

これに先立ちイスラエルは２０日、レバノンの首都ベイルート郊外周辺に空襲を加え、ヒズボラの最精鋭部隊ラドワンを導いたイブラヒム・アキル氏とアフメド・ワフビ氏ら主要指揮官１０人余りを除去した。

特にアキル氏は７月イスラエルのベイルート空襲で死亡したフアド・シュクル氏に続いて軍序列２位指揮官と呼ばれてきた人物で、３００人余りが亡くなった１９８３年ベイルート米大使館・海兵隊テント爆弾テロなどを指揮したと言われており、米国が７００万ドル（９４億ウォン）の懸賞金をかけていた。

◇７００万ドルの懸賞金かかったヒズボラ指揮官「ガリラヤ占領計画」

アキル氏は１７日、無線呼出器（ポケットベル）の爆発で負傷して病院から退院した翌日、他の指揮官に会っていたところミサイル攻撃を受けて死亡したことが分かった。

イスラエル国防軍は「アキルがイスラエルに浸透して民間人を殺害する『ガリラヤ占領計画』を立てていた」と明らかにした。米ホワイトハウスのジェイク・サリバン大統領補佐官（国家安全保障担当）は２１日、アキル氏の死亡に対して「いつでも米国人を殺害したテロリストに正義が具現されるのは良い結果だと我々は信じている」と話した。

イスラエル国防軍はその後もヒズボラのロケット発射台など数千カ所を標的をみなし、レバノン南部に大規模な空襲を加えた。レバノン保健当局によると、イスラエルによる２０日のベイルート空襲で子ども３人を含めて３８人が死亡して６０人余りが負傷した。これに先立って１７～１８日のポケットベル・無線機爆発では７０人が死亡して３０００人余りが負傷した。


ヒズボラ、連日ロケット空襲…イスラエルによるレバノン地上侵攻の懸念高まる（２）