「超格差」とはこの企業のために生まれた単語だった。集積回路を初めて開発したロバート・ノイスと「ムーアの法則」のゴードン・ムーアが1968年に共同で創業したインテルの話だ。その後半世紀の間、半導体設計と製造工程の両方で他社を圧倒した総合半導体会社(IDM)のインテルにはまったく隙がないように見えた。いまインテルは米ニューヨーク証券市場のダウ平均指数から追い出される危機だ。ダウ平均から除外されればインテルの株価はさらに急落する可能性が大きい。半導体銘柄で構成されたフィラデルフィア半導体指数が今年に入り20%上がる間にインテルの株価は60%下落した。インテルはなぜこのように墜落したのだろうか。なぜか他人事のようではないサムスンの半導体はここから何を学ぶことができるだろうか。
◇ファウンドリーに進出したインテルとサムスン…シナジー出せず主力事業の足引っ張る
設計と製造をともに行うインテルはいま何ひとつスムーズでない、体つきだけ大きい恐竜に転落した。全盛期を迎えたファブレス(半導体設計)のエヌビディア、ファウンドリー(委託生産)のTSMCとは劇的な対照だ。崖っぷちに追いやられたインテルは16日にリストラ案を発表した。その核心はファウンドリーを子会社として切り離す案だ。米国以外の欧州・アジアへの大規模投資は中断し、雑多な製品群はインテルの主力であるx86中央処理装置(CPU)中心に整理する。現在のようにあらゆることをすべてやるならファウンドリーだけでなく既存のCPUまで揺らぐという判断からだ。
米カリフォルニア州シリコンバレーのインテルミュージアムに入ると、「インテルの歴史=半導体の歴史」であることを体感することになる。1971年に発売した初の民間用単一チップ4ビットマイクロプロセッサー「インテル4004」をはじめ、「386」「486」「ペンティアム」など歴史的なプロセッサが壁面を飾っている。サムスン電子半導体部門の元役員は1990年代当時のインテルの存在感をこのように説明した。「最近はエヌビディアがうまくいっているというが挑戦者も多いでしょう。当時のインテルは他の会社があえて反乱を考えることすらできなかった神のような存在だった」。神はいま墜落した。
先月1日はシリコンバレーの歴史に「インテルショック」として記録される日だ。インテルはパット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)さえ「残念だ」と話すほど衝撃的な4-6月期業績を発表した。売り上げ128億ドルに営業赤字16億1000万ドル。売り上げの60%である消費者製品群はPC市場飽和で成長が止まり、データセンターと人工知能(AI)部門の売り上げは市場の期待に沿えなかった。この日インテルの株価は26%下落した。
PC用CPUチップを作る消費者コンピューティング事業部(CCG)はインテルの看板だ。「インテル・インサイド」のスローガンが象徴するように、インテルはこの市場で常に70%以上を独占した。しかしインテルからライセンスをどうにか得てCPUを作ったAMDは2014年のリサ・スーCEO就任後恐ろしい追撃者になった。シェアはインテルがまだリードしているが、ゲーミングなど高性能チップでAMDに押され、最近発売したインテル13~14世代CPUの不良疑惑でインテルはファンまで失っている。今後がさらに問題だ。アームのアーキテクチャーに基づいたPCプロセッサが市場にあふれ、インテルプロセッサの命令セットアーキテクチャであるx86体制をおびやかす。モバイル市場を掌握したアームのプロセッサがインテルの得意分野であるPCまで狙う局面だ。
◇AIブームが呼んだ先端パッケージングブーム…エヌビディアとTSMCが疾走
インテルのサーバー製品群(DCAI)は鉄壁の城だった。インテルが世界のサーバー用CPU市場の80%以上を占めたためインテルのCPU仕様が出てからサーバーを作り始めるという話が通じるほどだった。しかし2022年11月にオープンAIがチャットGPTを出し世の中の関心はすべてグラフィック処理装置(GPU)を活用したAIの「学習」と「推論」に向かった。データセンターGPU市場が年間28.5%ずつ成長するという見通しにも、インテルの4-6月期DCAI売り上げは前年同期比3%減った。インテルがあわてて出したAIアクセラレータ「ガウディ」が進む道は長い。
インテルの墜落は他人事ではない…サムスン半導体トップが狙うもの(2)
◇ファウンドリーに進出したインテルとサムスン…シナジー出せず主力事業の足引っ張る
設計と製造をともに行うインテルはいま何ひとつスムーズでない、体つきだけ大きい恐竜に転落した。全盛期を迎えたファブレス(半導体設計)のエヌビディア、ファウンドリー(委託生産)のTSMCとは劇的な対照だ。崖っぷちに追いやられたインテルは16日にリストラ案を発表した。その核心はファウンドリーを子会社として切り離す案だ。米国以外の欧州・アジアへの大規模投資は中断し、雑多な製品群はインテルの主力であるx86中央処理装置(CPU)中心に整理する。現在のようにあらゆることをすべてやるならファウンドリーだけでなく既存のCPUまで揺らぐという判断からだ。
米カリフォルニア州シリコンバレーのインテルミュージアムに入ると、「インテルの歴史=半導体の歴史」であることを体感することになる。1971年に発売した初の民間用単一チップ4ビットマイクロプロセッサー「インテル4004」をはじめ、「386」「486」「ペンティアム」など歴史的なプロセッサが壁面を飾っている。サムスン電子半導体部門の元役員は1990年代当時のインテルの存在感をこのように説明した。「最近はエヌビディアがうまくいっているというが挑戦者も多いでしょう。当時のインテルは他の会社があえて反乱を考えることすらできなかった神のような存在だった」。神はいま墜落した。
先月1日はシリコンバレーの歴史に「インテルショック」として記録される日だ。インテルはパット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)さえ「残念だ」と話すほど衝撃的な4-6月期業績を発表した。売り上げ128億ドルに営業赤字16億1000万ドル。売り上げの60%である消費者製品群はPC市場飽和で成長が止まり、データセンターと人工知能(AI)部門の売り上げは市場の期待に沿えなかった。この日インテルの株価は26%下落した。
PC用CPUチップを作る消費者コンピューティング事業部(CCG)はインテルの看板だ。「インテル・インサイド」のスローガンが象徴するように、インテルはこの市場で常に70%以上を独占した。しかしインテルからライセンスをどうにか得てCPUを作ったAMDは2014年のリサ・スーCEO就任後恐ろしい追撃者になった。シェアはインテルがまだリードしているが、ゲーミングなど高性能チップでAMDに押され、最近発売したインテル13~14世代CPUの不良疑惑でインテルはファンまで失っている。今後がさらに問題だ。アームのアーキテクチャーに基づいたPCプロセッサが市場にあふれ、インテルプロセッサの命令セットアーキテクチャであるx86体制をおびやかす。モバイル市場を掌握したアームのプロセッサがインテルの得意分野であるPCまで狙う局面だ。
◇AIブームが呼んだ先端パッケージングブーム…エヌビディアとTSMCが疾走
インテルのサーバー製品群(DCAI)は鉄壁の城だった。インテルが世界のサーバー用CPU市場の80%以上を占めたためインテルのCPU仕様が出てからサーバーを作り始めるという話が通じるほどだった。しかし2022年11月にオープンAIがチャットGPTを出し世の中の関心はすべてグラフィック処理装置(GPU)を活用したAIの「学習」と「推論」に向かった。データセンターGPU市場が年間28.5%ずつ成長するという見通しにも、インテルの4-6月期DCAI売り上げは前年同期比3%減った。インテルがあわてて出したAIアクセラレータ「ガウディ」が進む道は長い。
インテルの墜落は他人事ではない…サムスン半導体トップが狙うもの(2)
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