2023年10月24日(現地時間)、米ニューヨークの国連本部近くの広場に、ハマスによって拉致された人質の写真とともに、彼らの靴が置かれている。[ツイッター キャプチャー]
ハマスの武装組織アルカッサム旅団は2日(現地時間)の声明で「占領軍(イスラエル国防軍)が拘禁場所に接近する場合、人質処理に対する新たな指針が下された」と明らかにした。
続いて「ネタニヤフ首相が交渉を成功させないで軍事的圧迫で彼らを解放させると主張するなら、彼らは棺の中に閉じ込められて家族の元に帰ることになるという意味」とした。
これに先立ち、ハマスはこの日テレグラムチャンネルにハーシュ・ゴールドバーグ・ポリンさん(23)、カルメル・ガットさん(40)、エデン・イェルシャルミさん(24)、アレクサンダー・ロバノフさん(33)、アルモグ・サルシさん(27)、オリ・ダニーノさん(25)ら人質6人が自分の名前を明らかにする様子が入った45秒の動画を投稿した。
しばらくして追加で公開した2分余りの映像でイェルシャルミさんは「私たちは苦痛を受けている。爆撃が止まらず生命に脅威を感じる」とし「ネタニヤフとイスラエル政府は直ちに私たちが解放されるために必要なことをしなさい」と訴えた。
あわせて「ネタニヤフはギルアド・シャリートの釈放のためにパレスチナ人1000人を釈放したではないか」とし「理解できない。私にはそれほどの価値がないのか」と付け加えた。これは2011年ネタニヤフ首相がハマスに拉致されたイスラエル国防軍のギルアド・シャリート将兵とパレスチナ服役者1027人を交換する合意を承認したことを意味する。
その後、人質6人は先月31日ガザ地区南部ラファのあるトンネルで亡くなったままイスラエル国防軍に発見された。解剖検査の結果、彼らの頭部と他の身体部位に銃床があり、彼らは軍に発見される約48時間前に亡くなったとみられる。
このような内容が伝えられると、イスラエルでは休戦と人質釈放交渉を政府に求める大規模デモと労働団体のストライキが続いている。イスラエル人質・行方不明者家族フォーラムは米国CNN放送に対して、少なくとも70万人がデモに出て、主要都市であるテルアビブだけで55万人が参加したと主張した。現地日刊タイムズ・オブ・イスラエルはデモ規模がテルアビブで約30万人、全国的に50万人だったと報じた。
デモ隊はテルアビブの主要高速道路を占拠してネタニヤフ首相が人質釈放と休戦交渉のために十分に努力しなかったとし、その対処を批判した。ネタニヤフ首相が人質殺害の責任を負って辞任すべきだと求める声も出てきた。
エルサレムではデモ隊が総理室を取り囲んだ。会員80万人の最大労働運動団体であるヒスタドルート(イスラエル労働者総連盟)は休戦交渉を圧迫するために2日からゼネストを始めた。彼らはイスラエルの国旗と人質釈放の意味を込めた黄色の旗、「死の政府に反対する」と書かれたピケなどを持ってデモを行った。
政権内部の葛藤も激化している。ガラント国防長官は1日、内閣会議で「私は負傷者を単独で残さないと学んだ。これは道徳的恥」と非難し、「人質が生きていることを願うなら時間がない」と警告した。
だが、ネタニヤフ首相は2日、記者会見を行って「悪の枢軸(イランとその代理勢力)がフィラデルフィ軸を必要としている」とし「我々がそちらにいるという事実を永久的に作らなければならない」と話した。2日間の激しい反対世論に向き合ってもフィラデルフィ回廊に軍駐留の意志を再確認した格好だ。
外信は前例ない規模のこのようなデモがガザ戦争の転換点になるかもしれないと展望した。英国日刊ガーディアンは「まだ断定するのは早い」としながらも「今回のデモが休戦と人質釈放を求める動きに新たな力を吹き込み、ネタニヤフ政権を転覆し、新たな選挙を要求する運動にも続く可能性がある」と見通した。
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