イスラエル国防軍が３１日（現地時間）、ガザ地区からパレスチナの武装組織ハマスが抑留していた人質６人の遺体を収容した。ＡＦＰ・ロイター通信によると、米国のバイデン大統領は１日未明に発表した声明で「今朝（３１日）早く、ラファシティの地下トンネルから、ハマスが人質として捕らえていた６体の遺体をイスラエル国防軍が見つけた」と明らかにした。バイデン大統領は「我々は今その人質のうち１人が米国市民のハーシュ・ゴールドバーグ・ポリンさんであることを確認した」と付け加えた。



イスラエル国防軍もこの日声明を通じて、昨年１０月７日に拉致された人質６人の遺体がガザ地区で見つかったと発表した。


遺体はハーシュ・ゴールドバーグ・ポリンさん、カルメル・ガットさん、エデン・イェルシャルミさん、アレクサンダー・ロバノフさん、アルモグ・サルシさん、オリ・ダニーノさんであることが確認された。遺体はすべてイスラエルに運ばれた。

２３歳のゴールドバーグ・ポリンさんはイスラエル系米国人で、昨年１０月７日にイスラエル南部で行われていた音楽フェスティバル会場でハマス武装隊員に捕えられてガザ地区に連行された。ゴールドバーグ・ポリンさんは今年４月、左側手首上側が切断された状態で人質動画に登場し、人質が家に帰れるようにしてほしいとイスラエル政府に要請していた。この動画はイスラエルで再び人質釈放要求デモが起こる契機となった。

ゴールドバーグ・ポリンさんの両親は人質の早急な釈放を求め、バイデン大統領とフランシスコ教皇に会い、国連で演説するなど各方面で努力したが、結局息子を失うことになった。

ガザ地区で人質の遺体が６体も発見されたことを受けて、イスラエル政府に休戦および人質釈放交渉を妥結するよう求める声はさらに強まるものとみられる。

イスラエルとハマスは米国・エジプト・カタールの仲裁で休戦・人質交渉を継続しているが、「ハマス清算」を頑なに守るネタニヤフ首相が難しい条件を提示していて難航している。

ハマスは昨年１０月７日にイスラエルを奇襲攻撃して約１２００人を殺害して２５０人余りを人質に捕らえて行った。

昨年、イスラエルとハマスの臨時休戦によって人質が１００人以上解放され、８人がイスラエル国防軍によって救助された。

これに先立ちＣＮＮは、イスラエルの人質・行方不明者家族フォーラムを引用し、ガザ地区に残っている人質は生存者と死亡者を含めて１０７人だと報じた。このうち１０３人はハマスの昨年１０月の奇襲攻撃の時に連行していった人質で、３３人はすでに亡くなっていると同フォーラムは推定した。