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安倍氏銃撃事件、岸田内閣の下り坂の始まりだった(2)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
◆次期首相候補に石破氏、河野氏、茂木氏

岸田氏の外交のハイライトは2023年3月の主要7カ国(G7)首脳会議だった。岸田氏はウクライナを訪問して全面的な支援を約束し、ゼレンスキー大統領をG7会議に招待した。岸田氏の故郷の広島に7カ国の首脳を招待して「核軍縮・不拡散宣言」を引き出すリーダーシップを発揮した。また岸田氏はバイデン米大統領との相次ぐ首脳会談で同盟をより一層拡大、強化し、米日安保の一体化を図った。さらにクアッド(米国・日本・オーストラリア・インド4カ国安保協議体)を基礎に「自由で開かれたインド太平洋」地域戦略を追求する全方向外交に取り組んだ。一言で、岸田氏は米中戦略競争の中で米国側に確実に付く鮮明な選択をし、権威主義体制と民主主義の対決構図の下で「民主主義陣営外交」に忠実な外交を見せた。

戦後最悪の関係と呼ばれた韓日関係を劇的に改善して首脳間のシャトル外交を復元させたのも岸田外交の成果として記録されるだろう。もちろん葛藤の雷管である徴用問題に対する解決策提示で「失われた10年の韓日関係」を一挙に改善させた主役は尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領だ。とにかく岸田氏は強制徴用、輸出規制、韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)などでふさがった難関を乗り越えて隣国の韓国との関係を正常化したのはレガシーと見なしたいはずだ。さらに岸田氏は韓日間の軍事的不信を克服し、韓米日3カ国安保協力の枠組みを再構築して稼働させる一つの軸を担った。総裁選挙不出馬宣言の記者会見で、岸田氏が韓日関係を正常化し、韓日修交60周年を迎えて協力的な韓日関係をしっかりと維持する必要性を強調した点は意味深長だ。


9月下旬の自民党総裁選挙を控え、5、6人の候補が自薦他薦で挙がっている。日本は議会の多数党の代表が首相になる内閣制であり、自民党総裁選挙は事実上首相を選出する選挙となる。自民党の総裁選挙は党内の国会議員票50%、党員・党友票50%を反映する方式で行われる。現在、有力な総裁候補には、国民の人気は高いが党内で非主流の石破茂元幹事長、河野太郎デジタル相、党内最大派閥を率いる茂木敏充幹事長が挙がっている。一方で上川陽子外相、高市早苗経済安全保障相も女性候補として注目を受けている。自民党優越の政党体制下でどの候補が総裁に当選しても韓日関係には大きな影響はないとみられる。大統領制の韓国、米国とは違い、日本の場合、自民党の誰が首相になっても理念と政策のスペクトラムが限定的であるからだ。

李元徳(イ・ウォンドク)/国民大日本学科教授


安倍氏銃撃事件、岸田内閣の下り坂の始まりだった(1)

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