イタリアの国旗
13日(現地時間)、イタリアの日刊紙「イル・メッサジェッロ」は、ローマにあるイタリアオリンピック委員会(CONI)本部の外壁に描かれたエゴヌの壁画がき損された写真を公開した。これによると、エゴヌの黒い肌をピンク色のスプレーで誰かが上塗りしたような模様。
イタリアでナイジェリアの両親の間に生まれたエゴヌは、今回のパリ五輪でイタリアに史上初のバレーボール五輪金メダルを与え、自国内の国民的英雄として浮上した。エゴヌは11日(現地時間)に行われた女子バレーボール決勝で「ディフェンディングチャンピオン(前回優勝チーム)」である米国を相手に両チーム最多の22点をマークし、大会最優秀選手(MVP)に選ばれた。
「ライカ」という名前で知られた路上画家は、エゴヌの活躍を称えるこの壁画のタイトルを「イタリアらしさ」と命じた。エゴヌの黒い肌の色を問題視する人々に送るメッセージをこめるためだ。ライカは「人種差別、憎悪、外国人ヘイト・無視を止めろ」と書いたりもした。
2015年からイタリア女子バレーボール代表チームの看板攻撃手として活躍したエゴヌは、極右の人種差別のせいでこれまで少なからぬ苦労を強いられた。欧州議会のロベルト・ヴァンナチ議員は陸軍少将だった昨年発刊したエッセイ『逆にひっくり返った世の中』で「エゴヌの身体的特徴はイタリアらしさを代表しない」として黒人がイタリア国家代表になった点を問題視した。エゴヌは当時のヴァンナチ少将を告訴した。
2022年には国際バレーボール連盟(FIVB)世界選手権大会準決勝でイタリアがブラジルに敗れ決勝進出に失敗した後、SNSを通じてエゴヌに人種差別的なメッセージが殺到すると、耐えかねた彼が代表チームの暫定引退を宣言したこともあった。当時、マリオ・ドラギ首相など各界からエゴヌへの応援のメッセージが殺到すると、エゴヌは気をそらして国家代表ユニフォームを再び着た。エゴヌは昨年、芸能専門誌ベニティペアイタリアとのインタビューで「黒人肌を持った子供を産むなら、私が体験したすべての苦難を体験することになる」とし「また混血児を産むなら、白人はあまりにも黒人のようだと言うだろうし、黒人はあまりにも白人のようだと言うだろうが、子供を不幸に陥れたくない」と話した。
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