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<パリ五輪>「独立闘士の子孫」許海実、金より光った銀メダル…4年後さらに期待

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

許海実(ホ・ミミ)を励ますキム・ミジョン監督 [パリ=キム・ソンリョン記者]

在日韓国人の許海実(ホ・ミミ、22、慶北体育会、世界ランキング3位)が生涯初のオリンピック(五輪)舞台で銀メダルを首にかけた。



許海実は30日(日本時間)、仏パリのシャンドマルス競技場で行われた2024パリ五輪女子57キロ決勝で世界1位の出口クリスタ(29、カナダ)に指導3つを与え、ゴールドスコアの勝負の末、反則負けになった。出口は許海実が5月の世界選手権の決勝で対戦して勝利した相手だ。両選手がそれぞれ指導2つを受けた延長戦で、攻撃を主導していた許海実に対してむしろ偽装攻撃の判定をし、指導を与えた。柔道では指導3つを受ければ反則負けとなる。最後の判定は審判でなく審判席の委員長の指示で下された。


判定は残念だった。柔道国際大会の決勝では明確な反則でない場合、指導でなく技で勝敗を決めるという暗黙的なルールがあるが、今回は適用されなかった。女子代表チームのキム・ミジョン監督は「出口は動きがなく、許海実は何度も攻撃を試みた。相手に有利なところがあったとみられる」と遺憾を表した。ソン・チャンジョン大韓柔道会専務は「許海実が攻撃を主導していたのにむしろ指導を受け、納得しがたいところが明確にある。国際大会の決勝は技が決まるまで見るケースがほとんど」と指摘した。

半面、一部の専門家らは「危うくなれば相手の攻撃を遮断するため偽装攻撃で断つ許海実の習慣が表れた。指導を受けたのはやむを得ない」という指摘もある。実際、許海実がこの日に受けた反則3つはすべて偽装攻撃だった。

これで許海実は初めて出場した五輪で銀メダルを獲得した。金メダルより輝かしい銀メダルだ。韓国女子選手が五輪で金メダルを獲得したのは2016リオデジャネイロ五輪のチョン・ボギョン(48キロ級)以来8年ぶり。今回の銀メダルは韓国柔道がパリ五輪で初めて獲得したメダルだ。これに先立って2日間行われた男女4階級ではメダルがなかった。1992バルセロナ五輪の金メダリスト、キム・ミジョン女子柔道代表チーム監督は選手・監督として共に五輪メダルをつかんだ。

32強戦を不戦勝で通過した許海実は16強戦でティムナ・ネルソン・リービー(イスラエル、10位)に反則勝ちした。最大の勝負どころは「天敵」世界13位のラクバトゴー・エンフリーレン(モンゴル)との8強戦だった。五輪前まで許海実はラクバトゴーを相手に3戦全敗で絶対劣勢だったが、許海実が背負投げで技ありを奪ってジンクスを破った。五輪の舞台でジンクスを破る勝負強さを見せたのだ。4強では世界4位のラファエル・シルバ(32、ブラジル)に勝利した。

許海実は韓国柔道にすい星のように表れた「特級新鋭」だ。2002年に東京で生まれた許海実の父は韓国国籍、母は日本国籍だ。祖父母は共に韓国出身だ。日本柔道の特級有望株だった許海実が韓国に来たのは2021年に死去した祖母との約束を守るためだ。

祖母は「孫が必ず大韓民国の代表になってオリンピックに出ることを望む」という遺言を残した。祖母の言葉に許海実は日本での生活を整理し、同年、慶北(キョンブク)体育会柔道チームに入団した。そして翌年の2022年に太極マークを付けた。その後の2年間は各種国際大会で8回も優勝し、韓国柔道を代表する選手になった。5月には世界選手権で生涯初めて優勝し、韓国柔道のエースになった。現在、早稲田大(スポーツ科学部4年)に在学中だ。



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