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【コラム】思春期を迎えている大韓民国(2)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
生涯の職場が一日で崩れると、成長も見込めず目的意識自体がぼやけた。あたかも映画で「良い人」というアイデンティティが捨てられて混乱を経験するように、大韓民国の思春期もこの時に来たようだ。従来の体制に対する懐疑、生き残り競争、家族の崩壊は幸せを追求する方式に対する合意も破ってしまった。例えば合計特殊出生率は低下傾向とはいえ通貨危機前までは1.5人以上で停滞していたが、2000年頃からまた下落し、2005年には1.1人で過去最低を更新した。その後、また1.26人まで回復したが、2014年のセウォル号事件、2015年のMERS事態以降に下落した出生率は現在世界最低水準に達した。

小さな刺激にも極端な反応を見せる思春期のように、私たちの葛藤も火がつくのを待つ乾いた薪が積まれているようだ。政治葛藤、世代葛藤、ジェンダー葛藤など四方が地雷原だ。埋もれていた事実と感情を掘り返し、あらゆることで争いの種を探して声を高めるが、実際、自分の思い通りになればよいという望みのほか、前向きな未来像や望ましい志向は見られない。こうした議論さえも分裂によって歪められるため、専門家集団も萎縮する状況だ。静かに過ごすこともできるのに、あえて巻き込まれるのを望まないのだ。

大韓民国が思春期と考えれば解決方法はある。映画で感情のキャラクターがライリーの「良い人」の一面だけでなく各種の恥ずかしく愚かな面まで結局はライリーとして愛して抱きしめたように、私たちの社会の中の多様な考えと姿を認めて受け入れることから始めなければいけない。


どの個人も完全無欠なアイデンティティを持つことができないように、大韓民国も無欠の国家であるはずがないということだ。必ずそうであるべきこと、絶対にいけないことがあるのではない。思春期を経て本当に成熟した大人になるには、認めて受け入れることを身につけて実践しなければいけない。

ミン・セジン/東国大教授


【コラム】思春期を迎えている大韓民国(1)

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