米国１００、中国８６．３、日本８５．８、韓国８４．２――。

今年初めに韓国の大統領直属国家科学技術諮問委員会が報告した先端モビリティ技術水準評価結果だ。米国の技術力を１００とした時に、その後を追う国の技術力を点数で評価したものだ。中国は自動運転に代表される先端モビリティ技術で韓国と日本を追い抜いた状態だ。

中国はすでに世界最大の自動運転試験場だ。中国政府は先月ＢＹＤ、ニオなど自動車メーカー９社にレベル３～４の自動運転試験運行を承認した。レベル３は車がドライバーの介入を要請する場合にドライバーがハンドルを握らなければならない水準だ。レベル４は一定の条件が満たされればドライバーの介入なく車が自分で走行する水準で、完全自動運転の前段階だ。認められた都市は武漢、北京、上海など７カ所だ。


バイドゥは３年前に北京で自動運転ロボタクシーの商業サービスを始めた。米国ではロボタクシーが相次ぐ人命事故で停滞した状態だが中国はものともしない。通信装備メーカーのファーウェイが４月に発売した自動運転ソフトウエア「乾坤ＡＤＳ３．０」はいまも毎日１０００万キロメートル以上の仮想走行をしながら性能を改善している。中国は海外企業にも試験場を開放している。先月テスラに完全自動運転（ＦＳＤ）の試験運行を承認し、市場に「ナマズ」を放った。自国の自動運転技術競争を活性化するために米国企業を引き込んだものという評価が出ている。

中国の技術加速度は政府の支援の下で自由に実験し制限なくデータを収集できる環境から始まる。現在中国で自動運転試験が最も活発な武漢だけで業界推定で５００台のロボタクシーがお客を乗せている。人口２万２０００人当たり１台の割合だ。人間の安全補助運転のない水準の自動運転タクシーだ。これを運営するデータ企業のバイドゥはこうしたロボタクシーを武漢だけで今後１０００台をさらに配置する予定だ。

さらに中国は個人情報収集と活用に制約がほとんどない。大徳（テドク）大学未来自動車学科のイ・ホグン教授は「自動運転技術では歩行者の顔を分析し、歩行者が自動車を認知しているのか把握することがとても重要だ。中国政府は企業が顔認識情報のような個人情報を収集するのに目をつぶって企業を推している」と話した。ニューヨーク・タイムズなどによると、中国政府は自動運転の安全性と関連したオンライン討論を制限し自動運転技術に対する否定世論を統制している。


＜チャイナテックの逆襲＞武漢だけでロボタクシー５００台…韓国の自動運転経験は中国の１％（２）