◆中国発展モデルを作って開発途上国に伝播
まさにここに鄧小平時代とは完全に異なる中国を見ることができる。過去の改革は、瀕死状態の中国を蘇生させるために西側の進んだ技術と資本を導入することに焦点を合わせた。ところが現在の習近平時代の改革は中国独自の発展モデルを作り、これを他国がモデルにできるよう世界に供給することに重点を置いている。外国から学び受けることから世界に教え与えるという立場に180度転換したのだ。
中国人民の領袖から世界万民の指導者に生まれ変わろうとする習主席の野望が見える。では習主席はどのように中国式現代化を成し遂げようとするのだろうか。改革の全面的な深化を通じてだ。そしてその改革のキーワードとして提示されるのが「新質生産力」だ。
新質生産力は昨年9月に習主席が初めて言及した。生産力は財貨を創出する能力をいう。過去の成長は資源の大量投入に依存する方式だった。しかし未来の発展は革新が主導しなければいけない。このように革新を通じて質的に向上した財貨の創出能力が新質生産力だ。科学技術分野はもちろん農業や社会などすべての領域で新質生産力が発揮されるべきだと習主席は強調するだろう。
したがって今回の3中全会ではこの新質生産力向上案が話題になるとみられる。そうするしかないのは、中国は現在、米国の牽制で西側から多くの先端技術を獲得するのが難しいからだ。独自の革新を通じて技術の自立と自強を達成しなければ前に進めない。これは中国経済の死活がかかる問題だ。また米中競争の本質が技術覇権戦争である点を勘案すると、新質生産力向上案が今回の3中全会で話題になるのは当然といえるだろう。
◆党大会休会期間に開く「中全会」…3中全会では指導部の経済哲学・改革政策決定
中国は共産党が支配する国だ。党の最高権力機関は5年ごとに開かれる全国代表大会であり、2022年に第20回党大会が開かれた。党大会は5年に1回ずつ開かれるが、その休会期間中、主要政策は党中央委員会全体会議で決定する。この中央委員会全体会議を中全会と呼び、次の党大会が開かれるまで7回ほど開催する。中全会は北京長安街西側の京西賓館で徹底的な保安の中に進行されるのが通例だ。
中央委員会第1回全体会議、すなわち1中全会は党大会直後に開かれるが、党の総書記と政治局常務委員、政治局委員、中央軍事委委員など党の新しい指導部を構成する。2中全会は党大会翌年の両会(全人代と政協)直前に開催され、国家主席と首相、全人代常務委員長、政協主席ら国家機構の責任者に対する人事問題を扱う。
そして同年秋の3中全会を開くが、この時に新しい指導部の経済哲学と改革意志を反映した政策が決定され、世界の注目を集める。4中全会はその翌年に開かれ、主に党をどう強化するかに関する党の建設が主なイシューとなる。1年後の5中全会では国民経済5カ年計画に対する審議が重点であり、1年後の6中全会では理念的な部分を固める作業が行われる。7中全会は次期党大会が開かれる直前に開催され、次の準備をする。
中央委員会は約200人の中央委員、約160人の候補委員の約360人で構成され、実際、何かを議論して決定するうえで限界がある。実際にはその上の24人の政治局委員、それよりさらに高い7人の政治局常務委員が集団で中国を率いていくのが鄧小平以降の中国体制だあった。しかし現在は習近平総書記1人体制と呼んでも過言ではない。
ユ・サンチョル/中央日報中国研究所長/チャイナラボ代表
中国第20期3中全会の観戦ポイント…李強首相「経済回復に劇薬使う時でない」(1)
まさにここに鄧小平時代とは完全に異なる中国を見ることができる。過去の改革は、瀕死状態の中国を蘇生させるために西側の進んだ技術と資本を導入することに焦点を合わせた。ところが現在の習近平時代の改革は中国独自の発展モデルを作り、これを他国がモデルにできるよう世界に供給することに重点を置いている。外国から学び受けることから世界に教え与えるという立場に180度転換したのだ。
中国人民の領袖から世界万民の指導者に生まれ変わろうとする習主席の野望が見える。では習主席はどのように中国式現代化を成し遂げようとするのだろうか。改革の全面的な深化を通じてだ。そしてその改革のキーワードとして提示されるのが「新質生産力」だ。
新質生産力は昨年9月に習主席が初めて言及した。生産力は財貨を創出する能力をいう。過去の成長は資源の大量投入に依存する方式だった。しかし未来の発展は革新が主導しなければいけない。このように革新を通じて質的に向上した財貨の創出能力が新質生産力だ。科学技術分野はもちろん農業や社会などすべての領域で新質生産力が発揮されるべきだと習主席は強調するだろう。
したがって今回の3中全会ではこの新質生産力向上案が話題になるとみられる。そうするしかないのは、中国は現在、米国の牽制で西側から多くの先端技術を獲得するのが難しいからだ。独自の革新を通じて技術の自立と自強を達成しなければ前に進めない。これは中国経済の死活がかかる問題だ。また米中競争の本質が技術覇権戦争である点を勘案すると、新質生産力向上案が今回の3中全会で話題になるのは当然といえるだろう。
◆党大会休会期間に開く「中全会」…3中全会では指導部の経済哲学・改革政策決定
中国は共産党が支配する国だ。党の最高権力機関は5年ごとに開かれる全国代表大会であり、2022年に第20回党大会が開かれた。党大会は5年に1回ずつ開かれるが、その休会期間中、主要政策は党中央委員会全体会議で決定する。この中央委員会全体会議を中全会と呼び、次の党大会が開かれるまで7回ほど開催する。中全会は北京長安街西側の京西賓館で徹底的な保安の中に進行されるのが通例だ。
中央委員会第1回全体会議、すなわち1中全会は党大会直後に開かれるが、党の総書記と政治局常務委員、政治局委員、中央軍事委委員など党の新しい指導部を構成する。2中全会は党大会翌年の両会(全人代と政協)直前に開催され、国家主席と首相、全人代常務委員長、政協主席ら国家機構の責任者に対する人事問題を扱う。
そして同年秋の3中全会を開くが、この時に新しい指導部の経済哲学と改革意志を反映した政策が決定され、世界の注目を集める。4中全会はその翌年に開かれ、主に党をどう強化するかに関する党の建設が主なイシューとなる。1年後の5中全会では国民経済5カ年計画に対する審議が重点であり、1年後の6中全会では理念的な部分を固める作業が行われる。7中全会は次期党大会が開かれる直前に開催され、次の準備をする。
中央委員会は約200人の中央委員、約160人の候補委員の約360人で構成され、実際、何かを議論して決定するうえで限界がある。実際にはその上の24人の政治局委員、それよりさらに高い7人の政治局常務委員が集団で中国を率いていくのが鄧小平以降の中国体制だあった。しかし現在は習近平総書記1人体制と呼んでも過言ではない。
ユ・サンチョル/中央日報中国研究所長/チャイナラボ代表
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