孫興慜（ソン・フンミン、トッテナム）の父ソン・ウンジョンＳＯＮサッカーアカデミー監督をはじめとするアカデミーのコーチらが児童虐待の疑いで訴えられたことに関連し、ソン監督が「愛情が前提でない言行は決してなかった」と明らかにした。

ソン監督は２６日の立場表明文で「最近のアカデミーの練習中にあった激しい表現と体力練習中にあった体罰（うつ伏せ状態でプラスチックのコーナーフラッグ棒で太もも１回加撃）に対して現在捜査が進行中」と明らかにした。

ソン監督は「ただ、告訴人の主張は事実と異なる部分が多いため、アカデミー側は事実関係を歪曲したり隠したりせず加減なく明らかにし、捜査に積極的に協力している」と説明した。


ソン監督は「心の傷を負った子どもとその家族の方々に深い謝罪の意を伝え、こうした問題を起こした点について国民に申し訳なく思う」と明らかにした。

ソン監督は「事件発生後、アカデミー側は告訴人側に謝罪の言葉を伝え、事態の円満な解決を図ろうと努力した」と主張した。続いて「ただ、告訴人側が数億ウォン（数千万円）の合意金を要求し、その金額はアカデミーがとうてい受け入れられず、残念ながら合意に至らなかった。現在、別途の合意なく正確な事実関係に立脚した公正な法的判断を待っている」とし「その当時にあったことやその後の経緯は直接経験した人たちの記憶と言葉が一致しない状況」と伝えた。

ソン監督は「すべてをかけて誓うが、アカデミー指導者の行動において子どもに対する愛情が前提にならない言行は決してなかった」と強調した。

ソン監督は「したことをしなかったと言うつもりも、していないことをしたと言うつもりもない」とし「時代の変化と法で定める基準をキャッチできず、自分たちのやり方だけで子どもたちを指導した点を反省する」と明らかにした。そして「アカデミーのすべての構成員が深く考え、子どもたちがグラウンドで最高の集中力を発揮して練習に没頭できるよう、別の方法を探すことにする」と約束した。

◆児童側「加害を美化して２次加害…ソン監督は謝罪していない」

児童側の弁護を引き受けた法務法人のリュ・ジェユル弁護士は「加害者側は本人の立場でのみ最善を尽くして美化し、これを立場だと明らかにしている」とし「あたかも本人は過ちがないのに告訴人側は巨額の合意金を要求する者として言及しているが、これは２次加害」と指摘した。

続いて「ソン監督はいかなる謝罪もせず、連絡も全くない状態で弁護士を通じて処罰不願書の作成、メディアへの情報提供禁止、サッカー協会への懲戒要請禁止を合意条件として提示したため、被害者側は怒りの表現で感情的に話したのであり、真摯に具体的な合意金を話したのではなかった」と反論した。

リュ弁護士は「一度の被害だけで訴えたのではなく、親を離れて寄宿までしながら練習をし、繰り返される虐待行為に我慢できず、勇気を出して知らせることになった」と主張した。

◆ソン監督・コーチ２人、試合中のミスなどを理由に暴言・体罰の疑いで送検

この日の聯合ニュースによると、「ＳＯＮサッカーアカデミー」のソン監督とＡコーチ、Ｂコーチの３人は所属ユース選手に対する暴言と体罰など児童福祉法上の児童虐待の疑いで訴えられた。

アカデミー所属のＣ君側は３月１９日、「沖縄合宿中だった３月９日、ＡコーチがＣ君の太もも部位をコーナーフラックの棒で殴り、２週間の治療が必要な傷を負った」としてアカデミーコーチを訴えた。事件を捜査した江原（カンウォン）警察庁はソン監督ら３人を４月中旬に送検した。