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「バイデン氏は現職、トランプ氏は米有権者の忘却が強み」米ロビイストの分析(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

先月29日、米ワシントンDC総合コンサルティング会社DGAで対官ロビイストとして働くサンダー・ルーリー氏(右)とジョン・ラッセル氏が中央日報と共同インタビューを行っている。ワシントン=ジョセフ・リー記者

11月の米大統領選挙で民主党候補として出馬する11月の米大統領選挙で民主党候補として出馬するバイデン大統領(81)は、現職大統領のプレミアム、好調な経済指標、堕胎権問題などが強みに挙げられる反面、年齢が最大の弱点であると分析された。共和党候補として4年ぶりにバイデン氏と再対決するドナルド・トランプ前大統領(77)については「4年前の在任時に体験した混乱を簡単に忘れた米有権者の短期記憶力が強みとして働いている。その代わり、弱点はトランプ氏が在任した当時、実際の経済成績表がバイデン大統領より劣るという点」という評価が出た。

中央日報は先月29日、米ワシントンDC総合コンサルティング会社DGAで対官ロビイストとして働くサンダー・ルーリー氏とジョン・ラッセル氏をインタビューし、大統領候補としてバイデン氏とトランプ氏の強み(Strength)・弱点(Weakness)・機会(Opportunity)・脅威要因(Threat)などSWOT分析を行った。ルーリー氏は「27日に予定された初めての大統領候補テレビ討論はバイデン氏が1時間半にわたり戦えるエネルギーを見せる重要なチャンスになり得るが、そうでなければ逆に不安感だけを増大させるだろう」とし、ラッセル氏は「トランプ氏にとって刑事裁判問題は支持層結集のチャンスであり、リスクもあるということから脅威要因」と話した。

デビー・スタベナウ上院院内総務補佐など民主党・上院で30年近く勤めたルーリー氏とデニス・ハスタート元下院議長補佐官出身で共和党・下院で約10年間勤めたラッセル氏は米政治専門メディア「ザ・ヒル」が選定した「2023年最高のロビイスト」に選ばれたほど幅広い政界ネットワークと情報力を持つ専門ロビイストと評価される。


大統領選挙の状況について、ルーリー氏とラッセル氏は「2020年の大統領選挙の時よりはるかに激しい薄氷の戦いになるだろう」と口をそろえた。ルーリー氏は「(大統領選挙の勝負を決める6つのスイングステート・競合州のうち)バイデン大統領がジョージア、アリゾナ、ネバダなど、いわゆる南部の『サンベルト』に勝つのは難しい挑戦になると思われる」とし、「バイデン氏は少なくともペンシルバニア、ミシガン、ウィスコンシンの3カ所とネブラスカに勝ってこそ選挙人団(全体538人)270対268とぎりぎりで勝算がある」と話した。 ラッセル氏は「一時、スイングステートと呼ばれたノースカロライナはただ共和党が強い地域であるだけで、アリゾナ、ジョージアも共和党の土地にほとんど傾いているようだ」として「勝負の錘がブランコのように傾くという意味のスイングステートがますます減っている」と分析した。

大統領選挙後、韓半島(朝鮮半島)に及ぼす影響について、ルーリー氏は「バイデン氏の再選時、韓半島政策は現状維持の他には何も予想されることがない」と話した。ラッセル氏は「トランプ氏にはすべてが交渉」とし「トランプ氏の再執権時に駐韓米軍撤収で脅かし、韓国の防衛費支払いで適当なバランスがとれたと考えるまで圧迫を止めないだろう」と見通した。

--バイデン氏とトランプ氏をそれぞれSWOTを分析すると。

ルーリー氏「バイデンの弱点から言えば、大統領支持率が40%台にとどまっているという点、多くの米国人が『米国が誤った方向に向かっている』と考え、『経済はトランプ氏がもっとうまくできる』と考えているという点などだ。さらに、バイデン氏の年齢問題は、4年任期をもう一度遂行できるか疑問を生んでいる。一方、強みとしては現職大統領というプレミアム、外観上の良い経済成績表、そしてトランプ氏に比べて優位を占める堕胎権問題などだ。初めてのテレビ討論はバイデン氏が元気で、誰かと1時間半にわたって討論できるほど若いということを国民に示す重要なチャンスになり得る」

ラッセル氏「トランプ氏の最大の強みは米国人の短期記憶力だ。人々は4年前のトランプ氏在任当時に経験した多くの葛藤を忘れたようだ。また、トランプ政権時代、今よりさらに豊かに暮らしてきたと考えているようだ。実際の数値はそれとは違うのに。経済成績が良くないということは弱点の一つだ。トランプ氏の司法問題は、機会であり脅威要因だ。有罪評決はトランプ氏に支持層を団結させるチャンスになり得るが、重犯罪者が共和党大統領候補として出るということは、率直に言って『未知の領域』だ。トランプ氏にとってはリスクになり得る」

--バイデン氏の「高齢リスク」とトランプ氏の「司法リスク」のうち、どちらが破壊力が大きいのか。

ルーリー氏「トランプ氏を支持する米有権者の45%は、トランプ氏が有罪評決を受けたとしても大きく変わらないだろう。バイデン氏の年齢がさらに大きな問題だ」

ラッセル氏「年齢が問題だ。バイデン氏は、国政指導者としてはかなり成功した4年を送った。半導体科学法、インフレ削減法(IRA)、サプライチェーン回復などの成績表はかなり良い。しかし、その功労が十分に認められていない。『メッセージ』が問題ではなく『メッセンジャー』が問題だ。バイデン氏は、死後本当に親切で寛大だった人として崇められていても、いざ「偉大な大統領」だったとは言えないジョージ・W・ブッシュ元大統領とあまりにも似ている」

--有権者の票心を決める最大の要因は何か。

ラッセル氏「経済、そして女性の中絶権問題が重要になるだろう。二つのうち、個人的には中絶権問題が非常に重要になると思う」

ルーリー氏「ロシアと戦うウクライナ支援問題が共和党の分裂につながったように、ハマスと戦うイスラエル支援問題が民主党支持層の分裂につながっている。若年層と有色人種の民心離れがはっきりとしている。バイデン氏が乗り越えるべき重要課題だ」

--大統領選挙の勝負を分けるとみられるスイングステートの票心はどうなるだろうか。

ラッセル氏「最近、トランプ氏が『非常に青い』(民主党勢が強い)ニューヨークのど真ん中で選挙遊説を行った。第3党の自由党全党大会にも出席し、演説を行った。『トランプ氏はどこへでも行き、誰とでも話すことができる』という強いメッセージを投げかけたのだ」

ルーリー氏「今回の大統領選挙は2020年の大統領選挙の時よりずっと接戦になるだろう。現在の状況だけを見れば、バイデン氏は危険な状況だ。アリゾナ、ジョージア、ノースカロライナはバイデン氏が現実的に勝つことが難しい、とても厳しい挑戦になるだろう。バイデン氏がスイングステートの中で北東部ラストベルト3カ所であるペンシルベニア、ミシガン、ウィスコンシンと2020年大統領選挙の時に勝った他の州を合わせれば、選挙人団はバイデン氏とトランプ氏が269対269の同点になる。バイデン氏がこの3カ所にネブラスカ州まで勝てば、270対268で僅差で勝つことができる。したがってバイデン氏が必ず勝たなければならないのは、ペンシルバニア、ミシガン、ウィスコンシン、ネブラスカの4カ所だ。逆に言えば、バイデンがスイングステート3カ所に勝てなければゲーム終了ということだ」


「バイデン氏は現職、トランプ氏は米有権者の忘却が強み」米ロビイストの分析(2)

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