対ウクライナ最大武器支援国の米国が自国の武器でロシア領土内の軍事施設を打撃することをウクライナに一部容認した。米国が核を保有する敵国に対する軍事攻撃に自国武器の使用を承認したのは今回が初めて。ロシアは「核兵器」にまで言及しながら強く警告し、ハルキウ(ハリコフ)をミサイルで空襲した。3年間続いているウクライナ戦争が新しい局面を迎えたという懸念が出ている。
ロイター通信は31日(現地時間)、ブリンケン米国務長官がこの日、チェコ・プラハで開かれた北大西洋条約機構(NATO)外相会議の後、記者らに対し、ウクライナの要請を受けてバイデン大統領が米国武器を使用したロシア内部攻撃を承認したと述べた。米ニュースサイトのポリティコは前日、複数の米当局者の発言を引用し、バイデン大統領がウクライナに「ハルキウ防御目的」に限り「国境付近のロシア領土内に位置するロシア軍施設」を米国産武器で反撃することを容認したと報じていた。
これに関しウォールストリートジャーナル(WSJ)は、米国がロシア本土攻撃を容認する武器は高速機動砲兵ロケットシステム(HIMARS)、中距離誘導多連装ロケットシステム(GMLRS)と野砲体系だと報じた。長距離地対地ミサイルのエイタクムス(ATACMS)はロシア本土攻撃を引き続き禁止すると伝えた。
この日、ドイツ政府も自国が供与した武器をウクライナがロシア本土攻撃に使用できるよう一部容認した。ドイツはその間「国際法の枠組みの中で行動するべき」と原則的な立場を繰り返してきたが、米国がロシア領土攻撃への米国武器使用を容認した事実が伝えられると立場を変えた。
◆「米国の支援政策に重大な転換」
バイデン大統領の今回の措置は制限的ではあるものの米国のウクライナ支援政策の「重大な転換(important shift)」を意味すると、フィナンシャルタイムズ(FT)は報じた。米国はその間、ウクライナに武器を支援しながらも、自国の武器を活用したロシア本土攻撃については「第3次世界大戦を避けるべき」として容認しなかった。
しかしウクライナとモルドバを訪問したブリンケン長官が29日、バイデン大統領に対し、ロシア軍が米国の「ロシア領土攻撃禁止」原則を悪用して自国領土内の国境付近からウクライナ軍を攻撃していると報告すると、バイデン大統領が決断を下したという。WSJによると、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)とオースティン米国防長官らも15日、バイデン大統領に「原則修正」を建議した。
実際、ロシアが10日に国境付近のハルキウに対する地上戦を開始した後、ロシア軍は国境沿いに安全地帯を確保しながらウクライナ軍を攻撃したことが分かった。劣勢になったウクライナのゼレンスキー大統領は米国に武器使用制限を解除してほしいと求めてきた。
バイデン大統領は来月5-9日にフランス国賓訪問、7月にワシントン開催のNATO創設75周年首脳会議などを控えた状態だ。このためウクライナに対する西側同盟の団結を見せるべきという圧迫感も作用したと、FTは解釈した。最近、英国・フランス・ドイツなど欧州主要国とストルテンベルグNATO事務総長らも、西側が支援した武器でウクライナがロシア本土に反撃できるようにするべきだと米国に圧力を加えてきた。
これに関連しNYTは今回の措置にもかかわらずロシアがハルキウなどで攻勢を強める場合、米国が武器使用制限をさらに緩和する可能性があると伝えた。ウクライナ戦況が不利になれば米国・NATOがダブーとした「ロシア本土打撃」を制限なく容認しようという声が高まるということだ。ある当局者は「これは新たな現実であり、ウクライナ戦争の新たな局面(a new era)」とNYTに話した。米戦争研究所(ISW)は29日、ウクライナが西側の武器でロシア本土内の軍事目標物を一部または制限なく攻撃するべきだと支持を表明した国は10カ国を超えると伝えた。
米国「ロシア本土攻撃を容認」 ロシア「核兵器」言及…ウクライナ戦争激化か(2)
ロイター通信は31日(現地時間)、ブリンケン米国務長官がこの日、チェコ・プラハで開かれた北大西洋条約機構(NATO)外相会議の後、記者らに対し、ウクライナの要請を受けてバイデン大統領が米国武器を使用したロシア内部攻撃を承認したと述べた。米ニュースサイトのポリティコは前日、複数の米当局者の発言を引用し、バイデン大統領がウクライナに「ハルキウ防御目的」に限り「国境付近のロシア領土内に位置するロシア軍施設」を米国産武器で反撃することを容認したと報じていた。
これに関しウォールストリートジャーナル(WSJ)は、米国がロシア本土攻撃を容認する武器は高速機動砲兵ロケットシステム(HIMARS)、中距離誘導多連装ロケットシステム(GMLRS)と野砲体系だと報じた。長距離地対地ミサイルのエイタクムス(ATACMS)はロシア本土攻撃を引き続き禁止すると伝えた。
この日、ドイツ政府も自国が供与した武器をウクライナがロシア本土攻撃に使用できるよう一部容認した。ドイツはその間「国際法の枠組みの中で行動するべき」と原則的な立場を繰り返してきたが、米国がロシア領土攻撃への米国武器使用を容認した事実が伝えられると立場を変えた。
◆「米国の支援政策に重大な転換」
バイデン大統領の今回の措置は制限的ではあるものの米国のウクライナ支援政策の「重大な転換(important shift)」を意味すると、フィナンシャルタイムズ(FT)は報じた。米国はその間、ウクライナに武器を支援しながらも、自国の武器を活用したロシア本土攻撃については「第3次世界大戦を避けるべき」として容認しなかった。
しかしウクライナとモルドバを訪問したブリンケン長官が29日、バイデン大統領に対し、ロシア軍が米国の「ロシア領土攻撃禁止」原則を悪用して自国領土内の国境付近からウクライナ軍を攻撃していると報告すると、バイデン大統領が決断を下したという。WSJによると、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)とオースティン米国防長官らも15日、バイデン大統領に「原則修正」を建議した。
実際、ロシアが10日に国境付近のハルキウに対する地上戦を開始した後、ロシア軍は国境沿いに安全地帯を確保しながらウクライナ軍を攻撃したことが分かった。劣勢になったウクライナのゼレンスキー大統領は米国に武器使用制限を解除してほしいと求めてきた。
バイデン大統領は来月5-9日にフランス国賓訪問、7月にワシントン開催のNATO創設75周年首脳会議などを控えた状態だ。このためウクライナに対する西側同盟の団結を見せるべきという圧迫感も作用したと、FTは解釈した。最近、英国・フランス・ドイツなど欧州主要国とストルテンベルグNATO事務総長らも、西側が支援した武器でウクライナがロシア本土に反撃できるようにするべきだと米国に圧力を加えてきた。
これに関連しNYTは今回の措置にもかかわらずロシアがハルキウなどで攻勢を強める場合、米国が武器使用制限をさらに緩和する可能性があると伝えた。ウクライナ戦況が不利になれば米国・NATOがダブーとした「ロシア本土打撃」を制限なく容認しようという声が高まるということだ。ある当局者は「これは新たな現実であり、ウクライナ戦争の新たな局面(a new era)」とNYTに話した。米戦争研究所(ISW)は29日、ウクライナが西側の武器でロシア本土内の軍事目標物を一部または制限なく攻撃するべきだと支持を表明した国は10カ国を超えると伝えた。
米国「ロシア本土攻撃を容認」 ロシア「核兵器」言及…ウクライナ戦争激化か(2)
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