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イラン「悪天候で大統領ヘリコプター事故」 イスラエル「標的とする理由ない」(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

イランの国旗

イラン当局が20日(現地時間)、前日に発生したヘリコプター墜落事故で行方不明になっていたライシ大統領の死亡を確認したと公式発表した。強硬イスラム原理主義路線を率いたライシ大統領の突然の死で、イラン内部の権力争い、「ヒジャブデモ」、経済問題による民心離反現象がさらに加速するという見方が出ている。シーア派盟主の役割をするイラン内の動揺がイスラエル・ハマス戦争長期化などで緊張感が高まっている中東情勢の混乱を深めるという懸念も続いた。

この日、イランのモフセン・マンスーリ行政担当副大統領はX(旧ツイッター)を通じて「ライシ大統領が乗っていたヘリコプターが全焼して発見され、搭乗者全員が死亡したとみられる」と明らかにした。事故ヘリコプターにはライス大統領、アブドラヒアン外相、東アゼルバイジャン州知事、地域聖職者ら計9人が乗っていた。

イラン内閣もこの日午前の声明でライシ大統領の死亡を伝え、「いかなる支障もなく国政は運営されるだろう」と強調した。前日のヘリコプター墜落事故直後、イラン当局は軍・警を動員して夜中の捜索をし、捜索着手から15時間後に事故現場を確認した。


イラン政治・宗教の最終決定権者ハメネイ師(85)はライシ大統領の死亡が確認されると、5日間の国家哀悼期間を宣言した。ライシ大統領の故郷でシーア派の最大聖地マシュハドに集まった親政府性向のイランの人々は号泣した。これに先立ちイラン最高指導者のハメネイ師はイラン人にライシ大統領の無事帰還のための祈りを呼びかけ、イラン人は首都テヘランとマシュハドの街に集まって徹夜で祈祷を続けた。

事故ヘリコプターはイラン北西部の東アゼルバイジャン州タビル村付近の森の中に墜落した。捜索・救助を担当したイラン赤新月社(IRCS)の無人機(ドローン)撮影映像を見ると、墜落地点は黒く焼けていて、ヘリコプター後部は茂みの中に刺さっていた。後部以外の部分は原型をとどめないほど破損していた。近隣の村の住民は「燃料のにおいがひどかった」と話した。

◆ダム竣工式出席後、帰途に墜落

ライシ大統領は前日、東アゼルバイジャン州で開かれたキズ・カラシダム竣工式にアゼルバイジャンのアリエフ大統領と共に出席した後、タブリーズの精油工場へ向かうためにこのヘリコプターに乗った。事故地域はヘリコプターの離陸直後、気象が突然悪化して豪雨が降った。ヘリコプター操縦士だった航空専門家ポール・ビーバー氏はアルジャジーラに「ヘリコプターは天気に弱い。低気温と雲、霧などがヘリコプター墜落に影響を及ぼしたとみられる」と話した。

ライシ大統領の一行はヘリコプター3機に分かれて搭乗したが、離陸30分後に大統領が乗ったヘリコプターと他の2機のヘリコプターとの交信が途絶えたという。その後、険しい山岳地帯に入って大統領らが乗っていたヘリコプターは墜落し、他の2機に乗っていたエネルギー相や住宅交通相らは目的地のタブリーズに無事到着した。

救助作業は悪天候のため難航した。イラン革命防衛隊を含むすべての軍・警を捜索作業に動員したが、険しい山勢と濃い霧、泥のため救助作業が遅れた。12時間ほど経過するまで事故地点を正確に把握できなかった。ピル・ホセイン・コリバンドIRCS議長はこの日午前、イラン国営放送に「非常に寒く、豪雨が雪に変わっている」とし「可視距離が5メートルにもならないなど作業に困難が多い」と伝えた。

この日早朝、トルコが支援したバイラクタルアキンチドローンが事故ヘリコプターの残骸と推定される熱源を発見し、イラン側と座標を共有した後、本格的な捜索が行われた。アキンチドローンには先端熱画像カメラと夜間透視機能が搭載されている。約1時間後に墜落場所に到着した捜索救助チームは「状況が深刻だ」とし「遺体の一部は焼けて身元を確認できないほど」と伝えた。


イラン「悪天候で大統領ヘリコプター事故」 イスラエル「標的とする理由ない」(2)

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