バイデン米大統領
米エネルギー省傘下の国家核安全保障局(NNSA)は17日(現地時間)の声明で「14日午後、ネバダ州主要地下臨界実験室(PULSE)で未臨界(subcritical)実験を問題なく遂行した」とし「核兵器に関する重要データを収集できるよう実験の頻度を増やす計画」と明らかにした。未臨界実験とは核物質が連鎖反応を起こして爆発する臨界点に到達しない状態で核物質の圧縮の程度を確認する実験。包括的核実験禁止条約(CTBT)で禁止した実際の爆発を誘発しないため通常、禁止対象ではないとみる。
米国は1992年に実際の核爆発実験を中断して以降、今回を含めて計34回の未臨界核実験をした。オバマ政権当時に4回、トランプ政権でも3回の未臨界実験が行われた。
バイデン政権に入って未臨界実験が行われたのは3回目。特に今回の実験はロシアのプーチン大統領の16、17日の中国国賓訪問の直前に行われたという点で中ロに向けた警告の性格が強い。
プーチン大統領はウクライナ侵攻1周年(2月24日)を3日後に控えた昨年2月21日、米国と締結した核兵器統制条約である新戦略兵器削減条約(New START)の履行停止を宣言し、米国に圧力を加えた。当時、プーチン大統領は米国の核実験が予告されていなかったにもかかわらず「米国が新しい核実験を準備している」とし「米国が核実験をすれば我々も同じくする」と強調た。
プーチン大統領は昨年11月にはCTBTの批准も撤回した。CTBTは1996年9月24日に国連総会で承認された国際条約であり、軍事的・平和的目的を問わず大気圏・宇宙・水中・地下などすべての領域でのすべての核実験を禁止している。ロシアは1996年にCTBTに署名した後、プーチン大統領就任直後の2000年にこれを批准した。半面、米国、中国、エジプト、イスラエル、イランの5カ国は署名後に批准はしなかった。ロシアは批准の撤回について「米国と同じ行動をする」とし「米国が先に(爆発を誘発する)核実験をすればロシアもする」と警告した。
これに関連しNNSAは「1992年から施行した核爆発実験モラトリアムに基づく措置で、CTBTのゼロ収率標準にも合う」とし、今回の実験は実際の爆発実験ではないという点を強調した。ただ、バイデン政権に入って新型戦術核爆弾「B61-13核重力弾」の開発に成功したという発表があり、議会でも核兵器関連予算が持続的に承認されて核実験まで再開され、今回の実験が米ロの核競争を加速化する触媒になるという懸念が強まっている。
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