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運転席・運転者が消える…中国「14億人実験室」の自動運転競争(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

中国IT企業の百度が運営する自動運転タクシー、蘿卜快跑(Apollo Go) イ・ドソン特派員

「安全ベルトを着用して出発ボタンを押してください」。

先月23日、中国北京亦庄経済技術開発区で中国IT企業の百度(バイドゥ)が運営する自動運転タクシーに乗った。いわゆる「ロボタクシー(Robotaxi)」に乗ると、すぐに人工知能で生成された女性の声が流れた。運転席と助手席は安全上の理由で着席できないという案内を受け、後ろの席に座った。安全ベルトを着用すると、運転席の後ろ側に設置されたスクリーンに表示された「出発」ボタンが目に入った。このボタンを押すとロボタクシーは動き始めた。

百度が運営する自動運転タクシーサービスの商品名は「蘿蔔快跑(ルオボークワイパオ)」だ。英語のロボ(Robo)と発音が似た「蘿」に早く走るという意味の「快跑」を付けた。この日、記者が乗ったロボタクシーは百度の自動運転車研究開発基地「アポロパーク」を出発した。正門のすぐそばに違法駐車されていた乗用車を避け、大きな角度で右折しながら路上に出た。


◆自動で動くタクシー

誰も座っていない運転席に設置されたハンドルは自由自在に動いた。交通信号と周囲の車を明確に認識した。右側から割り込んできた車と、中央線を越えて違反横断する人も自然な形で避けた。直線道路では最大時速68キロで走行した。車線の変更も自然で、変更前にはいつも方向指示器を出して走行した。ロボタクシーに乗っている間、終始、安定感が感じられた。

乗客はロボタクシーが四方をカメラ・ライダー(光で周辺探知)・レーダー(電波で探知)で認識する場面を確認することができた。自動運転システムは認識した車両・人・建物などを2つのスクリーンに映し出した。主要地点の信号灯、CCTVなど交通システムと随時連結して情報を交換する。百度の関係者は「万が一の状況に備えてモニタリング要員が24時間ロボタクシーを見守っている」と強調した。事前に設定されたコース約13キロを完走するのに40分ほどかかった。

蘿卜快跑は現在、北京・上海・広州など中国の主要11都市で運営中だ。総試験走行距離は先月1億キロを超えた。百度は2030年までに100都市に運営を拡大する計画だ。運転席がない第6世代ロボタクシー、アポロRT6もすでに開発され、商用化を準備中だ。

◆IT企業も自動車企業も「自動運転」に没頭

通信装備・スマートフォン製造企業の華為(ファーウェイ)も自動運転システムの強者だ。自動車を販売するわけではないが、設計とエンジニアリング分野で自動車製造企業と協力している。自動運転のためのソフトウェアとハードウェアも供給する。華為は先月、北京モーターショー開幕を控え、新しい電気自動車の自動運転システム「乾坤ADS3.0」を公開した。華為は年末までに自動車50万台に乾坤を搭載するという目標を発表した。

電気自動車製造企業の小鵬も自動運転に注力してきた。昨年3月に発表した小鵬のXNGP (XPeng Navigation Guided Pilot)は現在243都市で使用できる。2025年に世界に発表することを目標にしている。昨年、欧州最大自動車ブランドのフォルクスワーゲンと提携し、電気自動車共同開発に入った。フォルクスワーゲンのロゴを付けて小鵬のソフトウェアが入った電気自動車が2026年に登場する予定だ。

さらにリ・オート、シャオミ、BYDも独自の自動運転技術開発と導入を急いでいる。この2年間に自動運転システムを公開した中国企業は10を超える。


運転席・運転者が消える…中国「14億人実験室」の自動運転競争(2)

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