イランによるイスラエル本土への空襲で第５次中東戦争の懸念が高まる中、戦争拡大の鍵を握ったイスラエルがいつイランに対する対応に出るのか注目が集まっている。イスラエル現地では戦時内閣がイラン報復に共感を形成しながらも時期と方法を巡り意見が分かれている。

１５日、外信によると、１日にイスラエルがシリア内のイラン領事館に爆撃を加えたことに対する報復として、イランが１３日夜に３５０余発・機のミサイルとドローンでイスラエルの軍事施設を電撃空襲して以来、イスラエルの反撃展望が交錯している。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル（ＷＳＪ）は「イランに対する強力な反撃ははるかに破壊的な報復をもたらす可能性がある」としながら「しかし全く対応しないか非常に低いレベルの対応をすれば抑止力が弱まりイスラエルとは違う国が今後イランの空襲にさらに弱くなる場合がある」と分析した。

イスラエル戦時内閣の閣僚多数はイランに報復するという原則には賛成しながらもその時期と方法を巡り意見が入り乱れていたと現地メディアが伝えた。この日、タイムズ・オブ・イスラエルなどによると、前日午後ネタニヤフ首相とガラント国防相、野党「国民統合党」のガンツ代表など戦時内閣の閣僚５人が会って３時間以上にわたりイラン爆撃への対応について議論したが、結論を出すことができなかった。


ＣＮＮは１５日、２人のイスラエル役人の言葉を引用して「イスラエル戦時内閣が（前日に続き）１５日午後に招集されてイランへの対応時期と範囲について議論した」とし「潜在的な軍事的対応の以外にもイランを世界舞台でより一層孤立させるための外交的オプションも検討した」と伝えた。続いて「ガンツ代表はイランへの攻撃に対するスピーディーな対応を促し、ネタニヤフ首相は決定を下すのにブレーキをかけている」とし「ガンツはイスラエルがイランの攻撃に対する対応を遅らせるほど、このような攻撃に対する国際的支持を得ることがさらに難しくなると信じていると消息筋は話した」と伝えた。

これに先立ちニューヨーク・タイムズ（ＮＹＴ）はネタニヤフ首相が戦時内閣会議で反撃計画を議論したが米国のバイデン大統領と通話した直後、反撃計画を撤回したと報じた。しかしイスラエルが強度を低くすることはあっても、いかなる形態でも報復に出る確率は高いという展望は依然として存在する。大きな被害はなかったといっても３００発・機を超えるミサイルと自爆ドローンを使ったイランの攻撃に何の対応もなく次の段階に移ることはできないというのが戦時内閣閣僚の見解だ。特に、イスラエル極右連合政府内の主要人物は強硬対応に出るべきだとして戦時内閣を圧迫している。

しかし戦時内閣としては今回のイラン空襲時に、米国・英国・フランス・ヨルダンがイスラエルに向かって発射されたミサイル等のうち９９％を撃墜するのに大きな助けになったことから、同盟の意見を無視することはできない状況だ。バイデン大統領は１３日、国家安全保障会議（ＮＳＣ）招集に続きネタニヤフ首相との電話会談で「米国はイランを狙ったいかなる攻勢作戦にも参加することはなく、支援もしない」と線を引いた。

バイデン大統領は１４日にも核心外交ラインとの別途の会議を経て緊急招集されたＧ７（主要７カ国）首脳とのオンライン会議に出席した。Ｇ７首脳は会議直後に声明を通じてイスラエルに対する連帯と支持意志を表明しながらも「我々は状況を安定化し、さらに多くの事態悪化を避けるために引き続き努力していく」と明らかにした。