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【コラム】韓国外交の3つの罠(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「われわれは抽象的なアイデアを信じない。われわれは現実をありのままに受け入れ現実に対する妄想に陥らないよう最大限努力する」。

1815年のナポレオン戦争終結後、ウィーン体制を構築し欧州の平和を率いたオーストリアの名宰相メッテルニヒの外交に対する警句だ。これはいまの韓国外交にも強いメッセージを投げかける。

いまの国際秩序は6~7年前から質的に変わっている。何より韓国に非常に重要な、米国と中国がこれ以上包容と協力ではなく対決と競争をする時代に進入した。これは韓国の外交に深刻な挑戦だ。そしてこの60年間韓国が民主主義と経済成長を成し遂げるのに大きな寄与をした自由主義国際秩序が大きく脅威を受けている。ロシアのウクライナ侵攻が代表的な事例だ。その上北朝鮮はこれ以上南北関係は特殊民族関係ではないとして、戦術核を搭載した超音速ミサイルにより数分で南側を焦土化すると意気込んでいる。


ところが現在の韓国の外交談論はメッテルニヒが強調する現実に対する冷徹な分析と対応策を用意するより、国内政治の陣営論理、感性的アプローチ、希望的思考の罠に引っかかっている。

最初に、国内政治の陣営論理の罠だ。近ごろ韓国社会で保守は親米・親日・反中・反北朝鮮、進歩は反米・反日・親中・親北朝鮮という二分法が通念のようになってしまった。問題はそうした米中日朝など対象国の外交政策や彼らの相互関係が大きく変わったのにわれわれはそんなことは物ともせず国内政治陣営論理によりすでに決まった「親」と「反」の固定された処方を自動的に出す点だ。そのために外側の国際政治の現実に韓国の国内政治がついていけない(または、ついていかない)。外交懸案が起きた時も国際関係変化の中でその懸案の核心と国益最大化の方法という本質問題には詮索できず陣営間の皮相的な口論にとどまるのが常だ。

例えば韓日関係がそうだ。急変する国際関係の中で韓日関係を改善する場合とそうではない場合、それぞれ韓国にもたらされる得と失が何かを鋭く問い詰めて比較し説得しようとする姿勢を見ることはできない。現政権は陣営争いの枠を抜け出す挙国的観点での韓日関係改善が現在の厳しい国際環境のためどのように得が失より大きいのか、国民に説得力あるように説明できなかった。野党もなぜ韓日関係改善が国益に失が得より大きいのか明確な根拠を提示できず主に国民感情に訴えた。


【コラム】韓国外交の3つの罠(2)

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