大型山火事で韓国各地が疲弊した昨年春とは違い、今年春季には山火事の危険が大幅に低下したことが分かった。エルニーニョなどの影響で昨年冬に記録的な量の雨と雪が降ったためだ。
韓国気象庁と国立山林科学院は12日に発表した「春季気象と山火事展望」で今年春の山火事危険度を分析した結果、危険等級基準で「低い」と予測したことを明らかにした。3月の場合、過去39年間で35番目に山火事危険度が低く、春季全体では25番目だった。国立山林科学院は降水量や土壌湿度、海水面温度、風の強さや方向などを複合的に考慮して山火事危険度を予測した。
◇春季の山火事危険、1年で15→25位に順位が下がった理由
1年前のこの時期、韓国全域では深刻な干ばつにより非常に乾燥した状態だった。昨年春季の山火事危険度は39年間の予測で15番目に高かった。4月3日には過去初めて5件の大型山火事(100ヘクタール以上)が同時に発生した。だが、わずか1年で山火事の危険度が大幅に低下した。
決定的な理由は昨年夏から発達したエルニーニョの影響で平年より多くの雨が降り気象干ばつが解消されたためだ。冬季(2023年12月~2024年2月)の韓国の全国降水量は238.2ミリで、全国気象観測を始めた1973年以降、歴代1位を記録した。冬季の降水量が200ミリを超えたのは今回が初めてだ。エルニーニョが発達する時期には冬季に降水量が増加する傾向がある。
このように相次ぐ雨や雪で地面が多くの湿気を含むようになり、発火の可能性がそれだけ低くなった。山林科学院のクォン・チュングン研究士は「冬季に南風がたびたび吹き、温かく湿った空気が流入して多量の雨や雪が山林に降った」とし「山火事の燃料となる落葉に持続的に水分を供給し、火が発生したり拡散したりする危険を減らすことができた」と説明した。
特に山火事が集中する春季に降る雨は山火事予防効果が大きい。山林科学院の分析の結果、春雨5ミリ当たり25時間、すなわち1.1日ほどの山火事予防効果が発生する。10ミリの雨が降れば2日程度は山火事の心配を小さくすることができる。山林科学院は、もしも19件の山火事が発生した2019年4月4日に春雨が降って山火事が起きていなかったと仮定すると、121億ウォン(約13億円)の経済的効果を得ることができたと推算した。それだけ春雨の価値が高いということだ。
◇「気候変動によって山火事増加、山火事が原因で気候変動…」悪循環
恵みの雨のおかげで今年春の山火事の危険は減ったが、まだ安心できる段階ではない。エルニーニョが次第に弱まっているところに降水量が減り、気象干ばつが再び発生する可能性があるためだ。
長期的に見た時も気候変動の影響で山火事の危険度は徐々に高まる傾向にある。猛暑によって土地の中の水分が瞬時に乾く「フラッシュ干ばつ」が頻発し、夏の山火事被害も大きくなっている。山林科学院は2040年には現在に比べ31%、2050年には57%、2100年には158%まで山火事の可能性が高まると推定している。
山火事の増加は気候変動を悪化させる要因にも挙げられている。大型山火事によって排出される大量の二酸化炭素が温暖化を加速させ、温暖化によって気温が高まって山火事が発生しやすい条件が形成されるという悪循環が繰り返されるためだ。
クォン氏は「梅雨以降は山火事がほとんどなかったが、猛暑によって夏に山火事が発生するパターンも増加している」とし「山火事に安全な時期がなくなり、2月から5月15日までの山火事用心期間も延長する必要性がある」と話した。
韓国気象庁と国立山林科学院は12日に発表した「春季気象と山火事展望」で今年春の山火事危険度を分析した結果、危険等級基準で「低い」と予測したことを明らかにした。3月の場合、過去39年間で35番目に山火事危険度が低く、春季全体では25番目だった。国立山林科学院は降水量や土壌湿度、海水面温度、風の強さや方向などを複合的に考慮して山火事危険度を予測した。
◇春季の山火事危険、1年で15→25位に順位が下がった理由
1年前のこの時期、韓国全域では深刻な干ばつにより非常に乾燥した状態だった。昨年春季の山火事危険度は39年間の予測で15番目に高かった。4月3日には過去初めて5件の大型山火事(100ヘクタール以上)が同時に発生した。だが、わずか1年で山火事の危険度が大幅に低下した。
決定的な理由は昨年夏から発達したエルニーニョの影響で平年より多くの雨が降り気象干ばつが解消されたためだ。冬季(2023年12月~2024年2月)の韓国の全国降水量は238.2ミリで、全国気象観測を始めた1973年以降、歴代1位を記録した。冬季の降水量が200ミリを超えたのは今回が初めてだ。エルニーニョが発達する時期には冬季に降水量が増加する傾向がある。
このように相次ぐ雨や雪で地面が多くの湿気を含むようになり、発火の可能性がそれだけ低くなった。山林科学院のクォン・チュングン研究士は「冬季に南風がたびたび吹き、温かく湿った空気が流入して多量の雨や雪が山林に降った」とし「山火事の燃料となる落葉に持続的に水分を供給し、火が発生したり拡散したりする危険を減らすことができた」と説明した。
特に山火事が集中する春季に降る雨は山火事予防効果が大きい。山林科学院の分析の結果、春雨5ミリ当たり25時間、すなわち1.1日ほどの山火事予防効果が発生する。10ミリの雨が降れば2日程度は山火事の心配を小さくすることができる。山林科学院は、もしも19件の山火事が発生した2019年4月4日に春雨が降って山火事が起きていなかったと仮定すると、121億ウォン(約13億円)の経済的効果を得ることができたと推算した。それだけ春雨の価値が高いということだ。
◇「気候変動によって山火事増加、山火事が原因で気候変動…」悪循環
恵みの雨のおかげで今年春の山火事の危険は減ったが、まだ安心できる段階ではない。エルニーニョが次第に弱まっているところに降水量が減り、気象干ばつが再び発生する可能性があるためだ。
長期的に見た時も気候変動の影響で山火事の危険度は徐々に高まる傾向にある。猛暑によって土地の中の水分が瞬時に乾く「フラッシュ干ばつ」が頻発し、夏の山火事被害も大きくなっている。山林科学院は2040年には現在に比べ31%、2050年には57%、2100年には158%まで山火事の可能性が高まると推定している。
山火事の増加は気候変動を悪化させる要因にも挙げられている。大型山火事によって排出される大量の二酸化炭素が温暖化を加速させ、温暖化によって気温が高まって山火事が発生しやすい条件が形成されるという悪循環が繰り返されるためだ。
クォン氏は「梅雨以降は山火事がほとんどなかったが、猛暑によって夏に山火事が発生するパターンも増加している」とし「山火事に安全な時期がなくなり、2月から5月15日までの山火事用心期間も延長する必要性がある」と話した。
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