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死の「米国版万里の長城」…毎日1万人が命がけて国境越える(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

5日(現地時間)、米アリゾナ州南端にあるメキシコとの国境の街ノガレス。ノガレスは9メートルの壁を境界にメキシコと隣接している。壁に設置された鉄条網にはフェンスを越える時に引っかかった服や死亡者を追悼する花束があちこちに見える。 ツーソン・ノガレス=ジョセフ・リー記者

4日(現地時間)、米西南部アリゾナ州の州都フェニックスから車で3時間走って到着した米国とメキシコの国境の街「ノガレス(Nogales)」。この地域の南側には高さ9メートルの鉄製の「壁」が国境に沿って限りなく続いていた。米国が建てた壁の内側はアリゾナ州ノガレス、壁の外側はメキシコのソノラ州ノガレスだ。

国境封鎖の象徴となった鉄製フェンスが続くノガレスなどメキシコ国境の街に関心が集まっている。不法移民問題が、バイデン大統領とトランプ前大統領の再対決の構図に固まった11月の米大統領選挙の最大イシューに浮上したからだ。

先月のギャラップの世論調査で「米国の最も大きな脅威」を尋ねる質問に対し、米国人の28%が移民問題を選んだ。昨年8月の調査では9%だったが、半年で3倍以上に高まった。「移民」に対する懸念が「経済」(12%)と「物価」(11%)を上回った。1992年のビル・クリントン大統領の当選以降に定着した「選挙=経済」という公式までが覆されるほどの争点になった。


◆一日1万人…急増する不法移民

ノガレスに設置された「壁」は米国とメキシコの国境3144キロのうち、すでにフェンスが設置された1049キロ区間の一部だ。トランプ氏の構想のように残りの区間にも壁を設置すれば、世界7大不可思議の一つ、万里の長城の総延長6300キロの半分に相当する「米国版長城」が完成する。

ノガレスの壁の上には鋭い鉄条網が幾重にも設置されていた。壁に沿って見ていくと、一部の鉄条網には壁を越える際に引っかかった服が残っていた。壁から転落して死亡した人を追悼するための花束も見ることができた。税関国境保護局(CBP)の巡察隊員は「いつどこでも不法移民者が壁を越える」とし「照明が設置されていないところでも熱感知器などで夜中まで24時間監視している」と説明した。

昨年12月の1カ月間にメキシコから国境を越えた不法移民者は30万人を超え、過去最多となった。一日に1万人以上が壁を越えているということだ。記者はこの日、巡察隊員と共に国境一帯で待機した。記者がいた所には不法移民者が現れなかったが、夜中に緊急無線が続いた。巡察隊員は「ここは普段より静かだった」と話した。

◆「不法移民はバイデンの侵攻」

トランプ氏側は選挙演説で、相対的に寛大な国境政策を見せたバイデン政権に入って不法入国が急増したという点を集中的に批判している。実際、トランプ政権当時に年40万-50万人だったメキシコからの不法越境人員が過去1年間に247万人に増えた。

トランプ氏は先月29日、テキサス州の国境都市イーグルパスを訪問し、「不法移住民の流入はバイデンの侵攻だ。米国は今、殺人・麻薬のような移住者犯罪で荒れている」と主張した。

特に最近ベネズエラ出身の20代の不法移民者が朝に運動をしていた22歳の米国人女子大生を殺害したことが伝えられ、否定的な世論が強まった。ピューリサーチセンターの調査によると、米国人の約80%はバイデン政府の移民政策を否定的に評価した。

結局、相対的に寛大な国境政策を見せてきたバイデン大統領も国境統制強化案が入った行政措置を検討することにした。トランプ氏がイーグルパスを訪問した日、テキサスの別の国境の街ブラウンズビルを訪れたバイデン氏は、国境統制人員・装備拡充案を盛り込んだ予算案を議会が処理すべきだと強調した。


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