砂漠の真ん中に建設された都市、アラブ首長国連邦（ＵＡＥ）ドバイに記録的な豪雨が襲った。



１０日（現地時間）、ＡＰ通信などによると、９日、ドバイには大雨やひょうなどが降り、砂漠の都市が海と化した。この日、ドバイには６時間で５０ミリの雨が降ったが、これは国家全体の年間降水量（１２０ミリ）のほぼ半分水準となる。


この大雨によってドバイは廃墟となった。インスタグラムやＸ（旧ツイッター）などのソーシャルメディア（ＳＮＳ）には、この日大雨が襲ったドバイの様子を生々しく伝える映像が多数シェアされた。

複数の映像によると、道路の至る所で浸水し、水が激しく流れてまるで洪水のような様相だ。このため路上の車は速度を出すことができず、歩行者も危険を顧みずに道を渡る有り様だった。ドバイ国際空港でも滑走路が浸水したせいで航空便が欠航した。

また、ひと目見てもその大きさが分かるほどの大きなひょうが空から勢いよく地面に落ち、道路の表面がひょうで覆われた。雷によって、まるで真昼のように空全体が明るくなる光景も見られた。

インターネット上ではドバイのランドマークである高さ８２８メートルの１６３階建て超高層ビル「ブルジュ・ハリファ」の頂上の避雷器に雷が落ちた映像が注目を浴びた。しかし、この映像は最近ではなく２０１９年４月に撮影されたものであることが確認された。

ただし、９日にドバイに降った大雨によってブルジュ・ハリファの全景をいつものように鑑賞できなかったことは事実だ。ＳＮＳにはブルジュ・ハリファが霧によって遮られてぼんやりとしか見ることができないか、周辺にひょうが降る様子を捕らえた写真や映像が多数シェアされた。

ＵＡＥ現地メディアは今回の大雨に対して「１９９０年代末から導入した人工降雨と無関係ではないように見える」と分析した。

ＵＡＥは国家レベルで乾燥した気候を解決しようと化学物質を雲の間に撒いて人為的に作り出した雨の雲で降水量を徐々に高めてきた。しかし最近深刻な気候変化で降水量が急増し、このような異常気象現象が現れたと専門家たちは説明した。

そのうえドバイは下水施設が整っておらず洪水に弱いと伝えられている。このため、大雨による道路などの浸水にそこまで設備が対応できていないと分析される。