8日午前、京畿道金浦市(キョンギド・キンポシ)の同市庁前で、悪質な苦情に苦しめられて亡くなった公務員Aさん(39)を哀悼する儀式が行われている。[写真 金浦市]
8日午前、仁川市西区(インチョンシ・ソグ)の黔丹(コムダン)トップ病院では京畿道金浦市(キョンギド・キンポシ)所属の9級公務員Aさん(39)の出棺式が行われた。市は庁舎本館前に焼香所を設置し、12日まで追悼客を受け付ける計画だ。
市庁から道路補修・管理業務を任されていた9級公務員1年6カ月目のAさんは5日、仁川西区のある路上に駐車していた車内から遺体で発見された。現場では自殺の情況が見つかった。その後、同僚の証言などを通じて、Aさんが地域オンライン掲示板に交通渋滞が発生した道路補修工事の責任者として名指しされ、実名などが公開されて苦しんでいた事実が明るみになった。
公務員が悪質な苦情に苦しめられる問題は以前から繰り返されてきた。昨年4月には九里市(クリシ)のある行政福祉センター所属の公務員が苦情相談に対応した後、自殺を図った。昨年8月、公務員労働組合総連盟が実施した「公務員悪質民願実態調査」の結果、回答者7061人のうち84%(5933人)が「最近5年間で悪質な苦情相談を受けた経験がある」と答えた。
悪質な苦情相談への対応指針をまとめた「民願処理に関する法律(民願処理法)」が施行されているが、具体的な公務員保護方案がなく、事実上有名無実だというのが公務員の主張だ。連盟は前日(7日)に声明を出して「悪質な苦情相談が発生するたびに公務員労働者個人が一人で耐える硬直した被害者保護制度から直ちに改善するように強く要求してきたが、悪質な苦情に対する全数調査はおろか、繰り返し要求してきた苦情処理関連制度および法令改善も今日明日と延ばした”と説明した。
延世(ヨンセ)大学行政学科のイ・ジョンス教授は「最近15年間、苦情処理に対する重要性が強調されて、海外に比べて業務が多い韓国公務員の心理的な負担が非常に大きくなった状況」としながら「現在のシステムでは担当者が苦情を持ち込む人に全面的に直接対応しなくてはならないが、緩衝作用が働くように別途の苦情処理部署を用意するなど制度的な補完が急務」と言及した。
一方、オンラインではAさんの個人情報を公開した人の個人情報が逆流出していて、その実名や職業、写真などが拡散している。また、論争が始まった地域不動産情報コミュニティには、過去にも各種苦情担当公務員を特定するコメントが掲載された事実が明らかになり、閉鎖要求も出ている状況だ。
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