グローバルフォーカス
ウクライナのゼレンスキー大統領が敗れればウクライナの国民に悲劇だ。それだけでなく北大西洋条約機構(NATO)加盟国のバルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)もまたヘゲモニーを握ることを望むロシアの危険にさらされるだろう。この場合、米国は欧州でロシアを抑止するためにアジア回帰政策を遅らせるしかない。これは欧州だけでなく韓国など米国のアジア同盟国にも悲報だ。
金正恩(キム・ジョンウン)委員長はプーチン大統領を支援することで朝鮮半島の平和と安定に大きな打撃を与える。北朝鮮の大規模な砲弾支援を眺めながら、いったい金正恩は何を得るのか疑問を抱くしかない。単純な食料・燃料支援に終わらないという点は十分に考えられる。
すでに北朝鮮が要求した見返りが表れている。弾薬がロシアに移動する前にロシアは北朝鮮の衛星打ち上げに対する国連安保理措置の拒否権を行使しようとしている。ロシア軍に絶対的に必要とする北朝鮮の砲弾支援の対価として、プーチンはロシアの国連安保理拒否権の無制限使用を約束したのではないだろうか。核実験はともかく、衛星打ち上げに対する許諾はしたのではないだろうか。
北朝鮮の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)プログラムへの技術支援もあったかもしれない。ロシアは依然として米国に次ぐ世界2位の潜水艦技術保有国だ。北朝鮮の高度化したSLBM技術は多くの専門家を驚かせた。おそらくロシアの技術支援が関連しているのではないだろうか。
北朝鮮の衛星打ち上げ技術に対するロシアの支援も含まれる。北朝鮮はすでに大陸間弾道ミサイル(ICBM)技術を完成させた。もう北朝鮮が越えるべき最も大きいヤマは、ミサイル弾頭が大気圏に再進入した時に破壊しない技術を完成させることだ。ところがこの技術に対する支援はロシア史上前例がなく、非常に危険で無責任なことだ。プーチンが引き続きNATOに対する核戦争を脅迫するのを見ると、プーチンが従来の核兵器規範を遵守するとは断定しにくい。
【コラム】プーチンの北朝鮮秘密支援、何であれ韓国には悪材料(2)
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