ところが、フランスは先月まではウクライナ派兵とは程遠い行動を見せた。特に、ロシアが「ウクライナに派兵されたフランス人傭兵を募集するのにフランス政府が介入した」と主張すると、フランス外務省は介入説を強く否定した。

このため、マクロン大統領の派兵言及が「計算された行動」という見方が出ている。マクロン大統領の発言をきっかけに、３年間続いているウクライナ戦争が転換点を迎える可能性があるという観点からだ。

ＥＵ内では、ウクライナに対する果てしない資金と兵器支援に終止符を打ち、この２年間とは異なる方式で関与してこそ、長期化した戦争を終わらせることができるという指摘もある。


これを受け、ニューヨーク・タイムズはＥＵのある軍事当局関係者の話として「一部の北欧、バルト海沿岸国家がウクライナ派兵を支持したと述べた」と伝えた。実際、バルト三国の一つであるリトアニアのガブリエリュス・ランズベルギス外相は「このような時期には創意的に考える政治的リーダーシップや野心、勇気が必要だ」と述べた。

「マクロン大統領が『欧州安定のために何でもする』というような発言で支持率を高めたイタリアのマリオ・ドラギ元首相をベンチマーキングしている」（ポリティコ欧州版）という分析もある。ＣＮＮは「マクロン大統領が（米国と距離を置きながら）欧州の独立的な外交政策を強化しようとする役割をリードしているという印象を漂わせようとしている」という専門家の反応を伝えた。

先走った発言でＥＵの団結を害するだけだという批判も出ている。フィナンシャル・タイムズは「フランスはＥＵ内唯一の核武装国家だが、財政が貧弱で他の所に使う支出を減らさない限り、国防に投資する余力がほとんどない」として「ロシアに対する強硬な発言のせいでＥＵ内分裂を浮き彫りにする格好になった」と雰囲気を伝えた。


マクロン仏大統領の先走った発言？　計算された強手？　「ウクライナ派兵説」をめぐる騒ぎ（１）