イスラエル・ハマス戦争の余波でこの一帯を行き来する民間船舶が脅威を受けている。イランの支援を受けているイエメンの反乱軍フーシ派は２０日、米国とイスラエル船舶を攻撃したと主張した。それだけでなくアラブのテロ団体がミサイルとドローンを利用して無差別的に商船を攻撃して海上輸送が大きく脅かされている。終戦を圧迫するためのテロ団体の意図的挑発に、米国をはじめとする多くの国々が困惑している。軍事力で米国と比較にもならないテロ団体の意図が受け入れられるなら、類似の状況が世界各地に拡散する可能性もある。

◇民間を活用した米国の海洋安保

米国が第２次世界大戦当時に太平洋戦争に勝利し、海洋統制権を確保して覇権国家になったという見解が多い。一見すると正しい。だが米国はこれよりもはるか以前から海洋の重要性を看破していて、海洋覇権確保に向けた試みを続けていた。米国がバルバリア海賊の深刻な略奪から自国商船を守るために１７９４年海軍を再創設したのが代表的だ。米国は１７７５年に海軍を創設したが、財政的な負担により１７７８年に解体した状態だった。海軍解体後、略奪を阻止するために米国は毎年１００万ドル（現レートで１億５０５８万円）を海賊に献納していた。国家予算の６分の１水準だ。国家経済と安全保障に致命的な脅威を感じた米国政府は海軍を再創設して問題を解決した。世界最強の海軍力で全世界の海を統制し、強大な商船団と共に通商の主導権を確保し、結局国家の利益創出と覇権国家を実現する足掛かりとなった。


その後、米国は１９２０年に極めて排他的かつ保護主義的性格を持つ商船法（Ｍｅｒｃｈａｎｔ　Ｍａｒｉｎｅ　Ａｃｔ／Ｊｏｎｎｅｓ　Ａｃｔ）を制定した。これによると、米国商船は必ず米国で建造されなければならず、船員も米国国籍者でなければならない。米国の商船隊（団）は貿易で利潤を獲得する以上に重要な任務と役割があったためだ。米国は第１次世界大戦を通じてばく大な量の戦争物資を欧州に輸送しなければならなかったが、敵国の攻撃を懸念した外国人は任務を拒否した。米国が選択したのは米国人船員で構成された民間商船団だ。

米国が１９３６年連邦政府に設置した海洋委員会（ＭＡＲＣＯＭ／１９６１年連邦海事委員会に改編）も同様だ。商船の建造と海運産業を統制するＭＡＲＣＯＭは傘下機関である国防予備船隊（Ｎａｔｉｏｎａｌ　Ｄｅｆｅｎｓｅ　Ｒｅｓｅｒｖｅ　Ｆｌｅｅｔ／１９４６年、９８隻）、海事安全保障計画（ＭＳＰ：Ｍａｒｉｔｉｍｅ　Ｓｅｃｕｒｉｔｙ　Ｐｒｏｇｒａｍ／１９９６年、６０隻）、海運同盟船舶共有契約（Ｖｏｌｕｎｔａｒｙ　Ｓｅａｌｉｆｔ　Ａｇｒｅｅｍｅｎｔ／２００３年）を通じて、１７８隻の国家必須船舶（民間商船隊）を維持する。この他に軍需物資輸送に傍点を置いた自国籍船優先貨物制度（Ｃａｒｇｏ　Ｐｒｅｆｅｒｅｎｃｅ）を運営して、ＭＳＰ商船に毎年５００万ドルの支援金も支給している。商船を通した安定した戦略物資輸送体系を維持するために正規軍以上に力を注いだ。


【韓半島平和ウォッチ】海洋安保時代、崩壊した海技師養成体系の立て直しから正しくすべき（２）