監督の更迭後もサッカー韓国代表をめぐる混乱は続いている。指導力の限界を表して解任された監督とコーチは更迭後も選手に責任転嫁をしている。内紛を経験した代表選手らは競技力が落ちている。後任の監督選任にまい進すべき大韓サッカー協会は鄭夢奎（チョン・モンギュ）会長４選出馬関連の論争などで落ち着かない雰囲気だ。

ユルゲン・クリンスマン氏（ドイツ）は解任後も居直ったような発言をしている。ドイツ時事週刊誌シュピーゲルは１８日、「クリンスマン監督が『（韓国代表監督在任期間は）スポーツ的な側面で成功した。最高だった』と自画自賛した」と報じた。

クリンスマン氏は１５日に行われた国家代表チーム戦力強化委員会に画像で参加し、「（アジアカップ不振は）孫興慜（ソン・フンミン、トッテナム）と李康仁（イ・ガンイン、パリ・サンジェルマン）の内紛が決定的な要因だ。私の戦術には問題がなかった」と主張した。


翌日に解任通知を受けた直後にはＳＮＳで「１２カ月間・１３試合無敗の驚くような旅程だった」と明らかにした。独シュピーゲルは「クリンスマンには韓国代表よりも（妻が待つ）カリフォルニアがさらに重要だったようだ」と皮肉った。

選手のせいにしたのはアンドレアス・ヘルツォーク前首席コーチ（オーストリア）も同じだ。ヘルツォーク氏はオーストリアのクロナンツァイトゥングへの寄稿で「重要な試合前日の晩にチームのトップスター２人が取っ組み合いをしてチームで世代間の内紛が生じるとは予想できなかった」とし「数カ月間にわたり苦労して築いてきたものが数分間でつぶれた」と主張した。

「選手団内紛」の２人の主人公も揺らぐ姿だ。１８日に行われた所属チームの試合で孫興慜と李康仁は共に振るわなかった。トッテナムの孫興慜は代表チーム同僚の黄喜燦（ファン・ヒチャン）が所属するウルバーハンプトンとのホーム試合でシュートを１本も打てず、１－２で敗れた。李康仁もナント戦で無得点に終わった。

孫興慜との不和説が浮き彫りになった李康仁に対しては中継権・広告関連企業も手を引いている。パリ・サンジェルマン－ナント戦の中継をしたクーパンプレイは広報写真およびグラフィックから李康仁を排除した。ＫＴも広告モデルの李康仁と共に行ったプロモーションを急いで終了させた。

次期監督の選任に集中すべき大韓サッカー協会（ＫＦＡ）は、鄭夢奎会長の４選挑戦が論議を呼んでいる状況だ。１６日にクリンスマン監督更迭を発表する記者会見で、鄭会長がサッカー協会会長４選に挑戦する考えを表した。これに関連し柳仁村（ユ・インチョン）文化体育観光部長官は１７日、取材陣から質問を受けた後、「仕事をうまくすることが重要ではないだろうか」と即答を避けた。体育界では「種目団体のトップに対する原則論を表明したものとみられる」としながらも「最近のサッカー代表チーム関連の問題が国民的な公憤を招いたことに対して否定的な見解を表したとみることができる」という解釈が出てきた。

一方、ＫＦＡは代表チーム後任監督の選任に関連し、国内組の指導者に指揮を任せる方向で急いで動いている。サッカー協会関係者は「６人ほど監督候補を選んだ後、優先順位を決めて検証作業を進める」と説明した。代表監督候補には洪明甫（ホン・ミョンボ）蔚山ＨＤ監督を含め、元・現指導者の名前が挙がっている。