尹錫悦大統領が4日、ソウル竜山の大統領室庁舎でKBSと特別対談を行って執権3年目の国政運営方向を説明している。[写真 大統領室]
昨年11月ユーチューブ「ソウルの声」がブランドバッグ授受疑惑を提起した後、2カ月以上沈黙を守ってきた尹大統領が今回立場を示したのは遅きに失しながら肯定的に評価する。自分の公約を覆し、第2付属室設置の可能性を取り上げた部分も目につく。
ただ、尹大統領の釈明はおおむね率直だったが、国民の懸念をきれいに解消するには不十分だったという点も指摘せざるを得ない。まず、尹大統領はブランドバッグの授受について、明確な表現で遺憾と謝罪を伝えなかった。むしろ、金夫人の無念な事情を説明することに比重を置くような印象を与えた。しかし、金夫人に悔しい面があるのは事実だとしても、否定的な民心を考えると、謝罪と反省を前面に出した方が良かっただろう。また、現在論争の中心となっているバッグがどこにあるのか、どのように処理したのか説明もなかった。警護室のずさんな保安管理問題にも言及が抜けた。今後、大統領室はこのような部分に対して、国民が十分に納得できる追加の回答を準備することが望ましい。
尹大統領は、「金夫人が人に接する時、もう少し断固として行動するようにする」と言ったが、そのようなことが根本的な再発防止対策になることは難しそうだ。大統領室は、特別監察官の任命や第2付属室の設置を急ぐ必要があるとみられる。
一方、尹大統領は与党間対立の火種として浮上した「尹心公認」の可能性について「不可能だと思う」と一線を画した。尹大統領は総選挙に出馬する大統領室関係者に「特恵は期待せず、公正にルールに従ってプレーしてほしい」と呼びかけたと明らかにした。もちろん、今後見守るべき問題だが、まず尹大統領の発言そのものは正しい方向だ。今回の発言を機に、最近浮上した尹大統領と国民の力の韓東勲(ハン・ドンフン)非常対策委員長の不和説が解消されるか注目される。
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