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「失われた7年」踏み越えニューサムスン始動…「AI時代の主導権握らねば」(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
サムスンLSIでシステム半導体を担当した元社員は「サムスン内部ではエクシノスが資金を食い潰していると考える見方がある」として惜しんだ。サムスンは独自APエクシノスの開発チームを2019年に大幅縮小した。これに対しアップルは長期投資して独自のチップを開発し、iPhoneやMacBookに100%搭載して高いマージン率を得ている。生態系競争はAI時代を迎えてさらに激しくなっている。昨年クアルコムは自社のPC、モバイル、自動車用AIチップを搭載した機器を連結する「スナップドラゴンシームレス」を発表した。iPhone、MacBook、iPadを連動するアップルの生態系をチップメーカーまで模倣し始めたのだ。シャオミ、オナー、OPPOのような中国のスマートフォンメーカーがすぐに合流を宣言した。

もちろんサムスンも2014年に米国のスタートアップ買収後にモノのインターネット(IoT)基盤のスマートシングス生態系を育てた。最近も自動車やエネルギーなどにスマートシングスを拡張中だ。それでもノックス(セキュリティ)、サムスンペイ(決済)、ビクスビー(音声アシスタント)などを相次ぎ出した2010年代初めの歩みと比較すると消極的という評価が出ている。成均館(ソンギュングァン)大学半導体システム工学科のハン・テヒ教授は「サムスンはファウンドリー、AP、モデムチップ、スマートフォンをすべて備えたほぼ唯一の会社。ソフトウエアを速やかに適用し改善できる長所を使わずにいてはならない」と話した。

◇「ファーストムーバー」人材、十分か


こうした課題を解決するためのリーダーシップにも変化が必要だ。7年余りの間サムスンは積極的経営よりは倉庫を守る「守城」中心に運営された。毎週裁判に出席しなければならなかった李会長の海外活動も制限された。専門家らはサムスンが「技術経営リーダーシップ」を強化しなければならないと注文する。李会長の果敢な決断を支援できる技術人材が前面に出なければならないということだ。明知(ミョンジ)大学経済学科のチョ・ドングン名誉教授は「『経営=意志決定』だがこれまでサムスンの意思決定速度と質は残念だった。世界的人材を見つけ出し、彼らが機能的役割に制限されないようオーナーが管理しなければならない」と話す。

サムスンは時価総額世界23位の企業で、アップル、TSMC、インテルなどと競争するが、サムスンを代表する世界トップ人材の存在ははっきりしない。設立25年になるグーグルだけでなく、創業55年前後でサムスン電子と似ているインテルとマイクロソフトもそれぞれスンダー・ピチャイ氏、パッド・ゲルシンガー氏、サティア・ナデラ氏のような一流技術経営者が率いる。彼らはクラウドやAIのような時代の流れを読んで果敢に投資し、会社が「クォンタムジャンプ」水準で再跳躍できるようにした。

株主総会の時ごとに株主が買収合併の不在を指摘するのも同じ脈絡だ。高麗(コリョ)大学経営学科のパク・ギョンソ教授は「世界の主要企業が買収合併などを通じて大きく成長する間にサムスンは重要な投資機会をたくさん逃した」と指摘した。

李会長も人材の重要性をわかっている。2016年の登記理事選任後、最初にサムスンの研究開発組織であるサムスンリサーチを立ち上げAIセンターを新設した。現在5カ国にあるAI研究センターはその結実だ。韓国半導体ディスプレー技術学会のパク・ジェグン会長は「これからはサムスンも模倣と効率のような追撃ではこれ以上成長できず、1位との差が広がるだけ。『ファーストムーバー』になるためには新しい才能とリーダーシップが切実だ」と助言した。


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