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中国よりも低い株主還元率、コリアディスカウントをあおる(1)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
昨年末の「サンタラリー」後、新年に入ってから不振が続いていた韓国証券市場が久しぶりに笑った。2日の韓国総合株価指数(KOSPI)は2559.40で取引を開始し、前日より2.87%上昇した2615.31で取引を終えた。KOSPIの2600ポイント再突破は先月4日から1カ月近くぶりのことだ。特に低い株価純資産倍率(PBR)を示す銘柄を中心に投資需要が集まった。金融委員会が今月中に「企業バリューアッププログラム」を稼動し、低PBR銘柄の価値上昇を誘導することにしたことに伴う期待のためと分析される。

先月2日には新年の証券市場取引初日の行事に参加した尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が「任期中に『コリアディスカウント』を解消したい」と強調した。その後17日の民生討論会では小口株主の権利保護に向けた法改正とともに、低PBR銘柄の価値を高める「企業バリューアッププログラム」を用意する計画を強調している。韓国政府が企業を促してPBRを高めていくという意味だ。

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PBRは証券市場上場企業の価値を現わす尺度だ。1倍より低いほど低評価、高いほど高い評価と解釈できる。韓国取引所によると、最近終値基準でKOSPI上場企業のPBRは平均0.9倍だ。米国のS&P500の平均4.58倍、や日本の日経平均の平均1.41倍より顕著に低い水準だ。KOSPI時価総額上位圏であるポスコホールディングスが0.66倍、現代(ヒョンデ)自動車が0.46倍、起亜(キア)が0.89倍、SKテレコムが0.96倍、LGエレクトロニクスが0.82倍など、有名な優良株もPBRは1倍に満たない。

そこで韓国政府は、上場企業のPBRなど主要投資指標を時価総額と業種別に比較公示することや、上場企業に企業価値改善計画公表勧告などの具体的なバリューアップ実践計画を立てることにした。しかし、株主還元に消極的だった韓国企業がどれだけ積極的に参加するかは未知数だ。一部では日本のように上場廃止警告など強力な措置を用意してこそ企業が従うという声も出ている。日本は昨年PBR1倍以下の企業に対し低評価の原因と改善策を提示するよう要求した。その上で株価浮揚と安定に失敗した場合には上場廃止の可能性を警告した。

だが韓国政府は慎重な雰囲気だ。金融当局関係者は「株価は多様な変数により決まるもので、政府がこれだけを根拠に上場廃止などを強制することはできない」と話す。実際に韓国株式の低評価、いわゆる「コリアディスカウント」はひとつやふたつの要因では説明がつかない。地政学的リスクなどのさまざまな要素が複合的に作用した結果だというのが金融業界の説明だ。しかし最近は何よりも株主還元率を引き上げなければならないという声が出ている。昨年11月に過去4度目の空売り禁止措置施行など政府の証券市場浮揚策にも今年に入って株価は劣勢を見せているためだ。

実際に先月のKOSPIは前月最後の営業日より7%ほど下がったが、米国S&Pは先月29日、日本の日経平均は22日にそれぞれ過去最高値を更新した。経済回復への期待感で証券市場に資金が集まったおかげだ。昨年にも米ナスダックが前年比43%、日経平均が28%上がる間にKOSPIは18%上昇するのにとどまった。韓国企業ガバナンスフォーラムのキム・ギュシク会長は「企業が自社の投資家を軽視するのにだれがその企業に投資をしたいだろうか。韓国の株主還元率は米国や日本など先進国だけでなく中国よりも低いが、これはコリアディスカウントの主犯のひとつ」と指摘した。


中国よりも低い株主還元率、コリアディスカウントをあおる(2)

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