「最初からステージで証明したグループです。良い曲、パフォーマンス、ステージを見せれば（国内）認知度は自然についてくるだろうと考えています」。韓国の８人組ボーイズグループ、ＡＴＥＥＺ（エイティーズ）のリーダー、ホンジュンが昨年１２月２ｎｄフルアルバム『ＴＨＥ　ＷＯＲＬＤ　ＥＰ．ＦＩＮ　：　ＷＩＬＬ』を発売しながら語った覚悟だ。このアルバムでＡＴＥＥＺは米国ビルボード（Ｂｉｌｌｂｏａｒｄ）のメインアルバムチャート「Ｂｉｌｌｂｏａｒｄ　２００」で１位を獲得した。２０１８年デビュー後初めてだ。４月にはＫ－ＰＯＰボーイズグループとしては初めて北米最大の音楽＆アートフェス「コーチェラ・バレー・ミュージック・アンド・アーツ・フェスティバル」（以下、コーチェラ）のステージに立つ。

海外よりも弱い国内ファンダムのせいで「国内・外の認知度に対して真剣に考えた」という彼らは「認知度のために自分たちの計画を修正したり再整備したりする考えはない」と明らかにしたことがある。グループの方向性を引き続き維持することを決めたが、それがまさに「ステージ」だ。

先月２７～２８日の２日間、蚕室（チャムシル）室内体育館で開かれたワールドツアー「ＴＯＷＡＲＤＳ　ＴＨＥ　ＬＩＧＨＴ　：　ＷＩＬＬ　ＴＯ　ＰＯＷＥＲ」ソウル公演は、ＡＴＥＥＺがこれまでのツアーで培ってきたステージの実力を証明する場だった。彼らはデビューして半年も立たない２０１９年４月に北米と欧州１５都市で巡演を繰り広げ、２０２２年１年だけで２回のワールドツアーを開催した。特に、２０２２年１０月から１年２カ月間開催した下半期のワールドツアーではソウルをはじめ日本・米国・欧州・南米・アジアを巡りながら計４０万人のファンに会った。


９カ月ぶりに国内ファンの前に立ったＡＴＥＥＺは「Ｂｉｌｌｂｏａｒｄ　２００」１位を可能にした２ｎｄアルバムのタイトル曲『Ｃｒａｚｙ　Ｆｏｒｍ』で２８日の公演の火ぶたを切った。約３時間にわたって「光のタワー」と呼ばれる高さ１６メートルのタワー型構造物を使って２５曲の多彩なステージを披露した。

この日初めて公開された曲『Ｗａｋｅ　ｕｐ』のステージでは、スカーフ・ロープ・テーブルなどを使った官能的なダンスで観客を魅了し、１ｓｔフルアルバムのタイトル曲『ＷＯＮＤＥＲＬＡＮＤ』はドボルザーク交響曲９番『新世界より』第４楽章を加えた編曲で雄壮な世界観を表現した。ホンジュンのエレキギターの演奏で始まった曲『Ｇｕｅｒｒｉｌｌａ』は強烈なサウンドの上にジョンホの鋭い高音を重ねた。

公演の最後にメンバーのサンは「今年はＡＴＥＥＺの証明の年」としながら「言葉ではなく行動で示す」と話してファンから歓呼を受けた。「これまで練習室で修練同様に努力して成長しようと頑張ってきた」と明らかにしたホンジュンは「僕たちみんな、自分のカラーを持ち、意志を持って進んでいこう」というメッセージを伝えた。

メンバーの言葉のようにＡＴＥＥＺが黙々と流した汗は最近成果として現れている。特に彼らが中小芸能事務所の出身という点がその意味を深くしている。ＫＱエンターテインメントの第１号練習生ホンジュンを中心にメンバーが構成されることになったＡＴＥＥＺは同事務所初の自社企画アイドルだ。グループ内に外国人または海外出身メンバーが含まれる最近のアイドルとは違い、韓国人メンバーだけで結成された。

彼らが成し遂げた「Ｂｉｌｌｂｏａｒｄ　２００」１位記録は韓国初ではない。ＢＴＳ（防弾少年団）を含めてＳｕｐｅｒ　Ｍ（スーパーエム）・Ｓｔｒａｙ　Ｋｉｄｓ（ストレイキッズ）・ＢＬＡＣＫＰＩＮＫ（ブラックピンク）・ＴＯＭＯＲＲＯＷ　Ｘ　ＴＯＧＥＴＨＥＲ（ＴＸＴ、トゥモロー・バイ・トゥギャザー）・ＮｅｗＪｅａｎｓ（ニュージーンズ）などＫ－ＰＯＰグループがこのチャートで１位を記録したことがある。ただし、ＨＹＢＥ・ＳＭ・ＪＹＰ・ＹＧなど大手事務所出身でないのはＡＴＥＥＺが初めてだ。「中小ドル（中小芸能事務所出身のアイドル）の奇跡」と呼ばれる理由だ。さらにメンバー全員がクレジットに名前を刻んで、４年ぶりにリリースしたフルアルバムの成果なので一層注目を浴びた。

ＡＴＥＥＺは３～４日に日本・埼玉スーパーアリーナでワールドツアーを継続する。ソウル公演とあわせて日本公演も全席完売を記録した。翌日の公演は日本最大衛星チャネル放送局であるＷＯＷＯＷを通じて生中継される。４月米国カリフォルニア州で開かれるコーチェラ舞台の後、７月にはソウルでファンミーティングを開催する計画だ。