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【時論】「AI半導体」が韓国製造業の新たな成長機会だ

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
技術の変化が社会を変える。世の中の変化の中心にはいつも技術がある。特に電気・電子分野の技術は変化の速度が速くアナログよりデジタル技術の変化は世の中をさらに大きく変えた。1980年代と1990年代に世界も家電市場を牛耳った日本のソニーはいつも世界最初の高価なオーディオ、テレビ、コンピュータなどでアナログ全盛時代を牽引した。

ソニーは1955年にトランジスタを使って世界初のトランジスタラジオを作った。1960年には白黒トランジスタテレビ、1969年にはカラーテレビであるトリニトロンを発売した。しかしデジタル時代になりアナログ技術はすでに核心技術ではなかった。デジタルテレビ時代になりサムスンやLGが飛び出し、サムスンはソニーの牙城を崩して2007年に世界1位となった。

最近米ラスベガスで開かれた「CES2024」の話題は断然人工知能(AI)だった。半導体チップメーカーとPC・スマートフォンメーカーもAIを活用した製品を大挙公開した。特にサムスン電子は「みんなのためのAI」を宣言しAI基盤新製品を展示した。デジタル技術が登場しすべての産業のデジタル化が進んだようにAI技術がすべての産業に拡散する兆しが感知された。


人間の脳を模倣したAI技術は1960年代以降長く研究されてきた分野だ。1980年代には学習に必要な計算量が途轍もないという理由で現実性のない技術と認識されていた。2000年代に入りディープラーニングのアルゴリズム開発とともにグラフィック専用処理装置であるGPUシステム半導体が登場した。メモリー容量増加が学習に必要な多くの計算量を担い、ディープラーニング基盤のAI技術が事業に活用され始めた。半導体技術のおかげで学習と推論の2段階で複雑な演算が可能になってできた変化だ。

AIは多くのデータを学習し、これを通じて推論した結果を導き出す。AI学習データを短時間で受け入れ処理演算に最適化された役割をするのがAI半導体だ。AI半導体はデータセンターなど高性能サーバーに活用可能なAI半導体と端末に使われるエッジ用(オンデバイス)AI半導体に区分できる

チャットGPTブームでディープラーニング基盤のクラウドサーバー中心の高性能GPU半導体使用が爆発的に増加しているが、世界のGPU市場の約90%を米エヌビディアが占めている。これに伴い、エヌビディアは最近米国証券市場で最も注目される銘柄のひとつに数えられる。また、オーダーメード型HBMメモリーが使われSKハイニックスとサムスン電子が市場を主導している。

エッジ用AI半導体は応用することで多くの製品に活用される。スマートフォンには2017年から使われている。システム半導体である応用プロセッサ(AP)にはNPUというAIコアが使われており、スマートフォン画質改善、音声認識、通訳・翻訳サービスに活用される。AI機能搭載はスマートフォンだけでなくPC、家電、自動車、セキュリティ、ヘルスケアなど実生活の多様な分野への拡散が予想される。

AIを活用して多くの製品を作るにはAI半導体が必須だ。AIはモノのインターネット(IoT)と第5、第6世代ネットワーク技術に加えてデータセンターだけでなく自動運転車、スマートファクトリー、スマートシティなど多くの未来産業も作り出すだろう。韓国経済を率いる中枢産業だ。

サムスンとLGがデジタルテレビ時代になりソニーに勝てたのはシステム半導体の独自開発能力に起因する。デジタルテレビに使われるシステム半導体を独自に作り製品の競争力を育てた。「製品(セット)競争力はシステム半導体からくる」という言葉を理解しなければならない。15日に韓国政府が発表したAI半導体中心の「半導体メガクラスター造成計画」は時宜適切だった。世界市場の1%水準である韓国の半導体設計業者(ファブレス)を本格的に育てるターニングポイントにしなければならない。

いまやAI時代が開花している。AI市場はまだ支配的強者が存在しない初期段階で、政府・企業・大学が総力を挙げれば新製造業競争で優位を占めることができる。いまが絶好の機会だ。

キム・ヨンソク/成均館(ソンギュングァン)大学半導体融合工学科教授、半導体工学会顧問

◇外部執筆者のコラムは中央日報の編集方針と異なる場合があります。



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