サムスン電子や現代（ヒョンデ）自動車など大企業のロボット投資に加速度がついた。兆単位の投資だけでなく、企業公開（ＩＰＯ）を準備する企業も相次いでいる。特に、製造・物流・サービス産業が「ロボット崛起」の主舞台だ。

昨年韓国のロボットベンチャー、レインボーロボティクスへの８７０億ウォンの投資で話題を集めたサムスン電子は今月初めに米ラスベガスで開かれた世界最大の家電・ＩＴ見本市のＣＥＳ２０２４でレインボーロボティクスのロボットアームを展示した。マイクロＬＥＤ製造工程に投入されたロボットアームが製品の品質検査をする過程が一般に公開された。サムスン電子の韓宗熙（ハン・ジョンヒ）副会長がＣＥＳ会期中に行った記者懇談会で、「生成人工知能（ＡＩ）を搭載したロボットと家電事業を積極的に拡大する計画」と明らかにし、サムスンのロボットをめぐる動きに再び関心が集中した。一部ではサムスン電子が年内にコールオプション（株式買収権利）を行使してレインボーロボティクスの株式を追加で取得する可能性が大きいとみている。サムスン電子は現在同社の株式１４．８３％を持ち２番目の大株主だ。レインボーロボティクスのイ・ジョンホ代表は「サービング・料理ロボットがサムスンウェルストーリーなどで使われたのに続き、今後半導体・家電製造工程の自動化推進案も協議中」と話した。この１年間で同社の株価は７倍に上がった。

ロボットに対する果敢な投資といえば現代自動車グループが先だ。現代自動車グループは２０２１年６月にソフトバンクグループから米国のロボット企業ボストン・ダイナミクスの株式８０％を約９９６０億ウォンで取得した。買収にはヒョンデが３０％、現代モービスが２０％、現代グロービスが１０％参加し、鄭義宣（チョン・ウィソン）会長も個人投資で株式の２０％を取得した。当時現代自動車グループは物流・製造・建設現場でロボット需要が大きくなると予想した。


実際にこの３年間でボストン・ダイナミクスのロボットは世界の産業現場に広がった。ロボット犬として有名な四足歩行ロボットの「スポット」と物流ロボットの「ストレッチ」はＤＨＬをはじめ、ＧＡＰとＨ＆Ｍなどの産業現場に配置され商業化に成功した。特にＤＨＬサプライチェーンは昨年１月からストレッチを衣類物品荷役場に導入して業務効率性が前より４０％向上したと明らかにした。相次ぐ受注で赤字状態だったボストン・ダイナミクスの業績が改善され、上場計画にも青信号が灯った。株式買収契約当時、現代自動車グループはボストン・ダイナミクスの米国証券市場上場時期を２０２５年と決めていた。

斗山（トゥサン）グループは昨年、ロボット系列会社の有価証券市場（ＫＯＳＰＩ）上場に成功した。協働ロボット市場１位である斗山ロボティクスだ。２０１５年の設立から産業現場で人間の作業者を助ける協働ロボットを主に生産してきた。機械産業にルーツを持つグループの影響が大きかった。この会社の株式６８．２％を保有する斗山の関係者は「グループが注目する新事業であるだけにロボット産業とシナジーを出せる買収合併を積極的に検討している」と明らかにした。