尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領は１６日の国務会議で、「北朝鮮当局は、南北関係を同族関係ではなく敵対的な二つの国家関係と定めた」とし、「これは、北朝鮮政権自らが反民族で反逆的な集団だという事実を自ら認めたことだ」と批判した。尹大統領は「北朝鮮は新年に入って北方限界線（ＮＬＬ）付近に砲兵射撃と弾道ミサイルを発射し、挑発を続けている」とし「韓国国民を不安にさせ、大韓民国を亀裂させるための政治挑発行為」と述べた。また、「北朝鮮が挑発してくるなら、我々は何倍も報復し、『戦争か平和か』を脅かす偽装平和戦術はもはや通用しない」と強調した。

さらに、尹大統領は「大韓民国を脅かすのは北朝鮮政権であり、北朝鮮住民ではない。彼らは同じ民族であり、温かく包容すべきだ」とし、統一部に「北朝鮮離脱住民の日」の制定を指示した。

専門家らは今年１１月の米大統領選挙を念頭に置いた金正恩式「通米封南」だと分析する。統一研究院のホン・ミン上級研究委員は「核心は韓半島問題で韓国は当事者ではないということ」と話した。実際、北朝鮮は文在寅（ムン・ジェイン）政府当時に行われた朝米首脳会談の局面で、すでに韓国を強く排除しようとする動きを見せた。


高麗（コリョ）大学のユ・ホヨル名誉教授は、「韓日米ｖｓ中露朝の対立構図の下で危機を高め、米大統領選挙後に最大限有利な条件で交渉できる国内外の環境を作ろうとしている」と分析した。これに関連して金委員長はこの日、演説の対外事業部門で「激変する国際政治環境と安保環境に主動的に対処し、わが革命に有利な条件と環境を作らなければならない」とし、（中国・ロシアなど）社会主義国家との関係発展を優先課題に挙げた。

経済的困難の中で内部結束の目的もあるようだ。西江（ソガン）大学北朝鮮研究所のキム・ヨンス所長は、「昨年、『平壌（ピョンヤン）文化語保存法』を制定するほど、北朝鮮内で韓国の言葉を使い、ドラマなどが広範にわたって広がった」とし、「民族を否定し、強対強の局面に向かいながら体制の結束を優先視している」と述べた。


金正恩氏「戦争時は韓国編入」　尹大統領「亀裂を狙った政治挑発」（１）