欧州が「北極爆発」と呼ばれる厳しい寒波と大雪に苦しみ、韓半島（朝鮮半島）に及ぼす影響に関心が高まっている。北極爆発（ａｒｃｔｉｃ　ｂｌａｓｔ）は西欧圏で極地方の冷たい空気が突然で非常に強く浸透する現象をいう。気象庁のウ・ジンギュ通報官は７日、「韓国は明日（８日）、『一時的な寒さ』が訪れた後、当分は寒くない見通しだ」としながらも、「気圧計が西から東に流れるため、最近、欧州に猛烈な寒さをもたらした気圧計が大きな変形なしに東に流れれば、７～１０日後、韓国もそのような寒さに見舞われる可能性がある」と話した。

スウェーデンは３日、１８８７年の記録以来最低気温（氷点下４３．６度）を更新した。北欧各地に氷点下４０度を下回る記録的な寒さと雪嵐により、自動車の中で数百人が孤立して救助されたり、スキーをして死亡したりする事故などが発生した。





英国やフランス、ドイツなど西欧はで嵐「ヘンク」がもたらした豪雨のため浸水被害が相次いだ。英国とフランスでは死亡者がそれぞれ１人ずつ発生し、ドイツは東部地域が深刻な洪水被害を受け、オラフ・ショルツ首相が被害地域を訪問した。

寒さと暴雨の両方が北極の空気を閉じ込めるジェット気流が激しく曲がりくねった形を見せる中で現れた。ジェット気流が下に膨らんできた領域に属する北欧は極限の寒さが訪れ、ジェット気流が流れなかった西欧は大雨の被害が発生したわけだ。Ｋウェザーのパン・ギソン・センター長は「ジェット気流が蛇行（蛇が曲がりくねって這う様子）する場合、ジェット気流の中に入る地域は寒く近隣地域は嵐をもたらす雲ができる」と説明した。

ジェット気流の蛇行が激しい形を見せると、北半球の中緯度に属するどの国も極端な気象に見舞われる可能性がある。米国も現在、欧州のような「北極爆発」で赤信号が灯っている。ＣＮＮによると、北極爆発で寒気が降り、６日、米北東部に雪嵐警報が発令された。米気象当局は８日、２度目の雪嵐が米中部を襲った後、今週、米西部を襲うものと予想した。米国気象庁は「厳しい寒さとともに竜巻や大雨、吹雪、大雪が米全域で起きるだろう」と予報した。パン・ギソン・センター長は「現在、ジェット気流は北半球から米国と欧州の２カ所から大きく降りている」とし「このような気圧計状態に属する地域は極限気象を体験する恐れがある」と話した。

韓国は８日朝、全国最低気温が氷点下１６～氷点下４度に下がる見通しだ。韓半島に冬の寒さをもたらす大陸高気圧の影響力が大きくなったためだ。しかし、大陸高気圧が移動性高気圧に変質し、８日昼の全国最高気温は氷点下１～６度に急速に上がり、９日は朝の最低気温が氷点下８～氷点下１度、昼の最高気温１～９度で平年とほぼ同じか、もう少し高くなるものとみられる。気象庁は９～１０日に雪雲が通過した後、当分平年と同じか、もう少し暖かい天気が続くものと見通している。